そごう・西武はこのほど、18年夏のインターンシップ(就業体験)で、デジタルデバイスを使ってビジネスを考える場を提供した。外部企業との協業による先端技術を通じたインターンシップは初の試み。
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新講座は「デジタライゼーション社会と、私。」で、デジタルを活用した新しい顧客体験を考え、ビジネスを創出することがテーマ。AI(人工知能)スピーカーでクラスメソッド、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)でネクストスケープ、3Dプリンターで富士通と協業した。
それぞれの取引先から説明を受け、先端機器に触れながら、新たな顧客体験を考える。最終的にビジネス案をプレゼンテーションする。コースは3日間で、定員20人。
インターンシップはこれまで、実際の業務の疑似体験やセミナー形式で企業が持っている知見、スキルを教えるものがほとんどだった。そごう・西武では商品、販促、サービスなど百貨店の多様な仕事を学生に知ってもらう機会として16年から開いている。
カリキュラムは人事部で決めるのが通例だが、今回は社長直轄のデジタルマーケティングなどを担当する事業デザイン部が新フォーマットを企画立案した。並行して従来の現場でマーケティングの基礎を学ぶコースを実施している。
同社では「学生の好奇心や発想力を応援するのが第一。デジタルを活用した新たな顧客体験を考えることで、当社でなく、取引先に関心をもってもらうことでも構わない」(事業デザイン部)と話している。