「バディー体制」のスノーピーク どう変わった? 何を目指す?

2025/10/20 06:29 更新有料会員限定NEW!


水口新社長(左)と山井会長

 スノーピークは10月1日付で、スターバックスコーヒージャパン前代表取締役CEO(最高経営責任者)の水口貴文氏が社長に就き、これまで社長執行役員だった山井太氏が代表取締役会長となった。スノーピークが9月30日に開いた会見では、水口氏起用の理由や「バディー」(同志)体制の意味だけでなく、MBO後の取り組みや今後の戦略についても詳しく明かされた。ここでは①改革の内容と成果②成長戦略の五つの柱③キャンプ市場の見通し――の3点に分けて詳しく紹介する。

(杉江潤平=本社編集部)

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好業績(予想)となる理由は?

 同社は今期(25年12月期)、売上高250億円(上場廃止前の23年度は257億円)、営業利益13億円(9億円)を見込む。売上高は23年度とほぼ同水準にもかかわらず、営業利益は23年度の1.5倍となる。

 「筋肉質の企業に変わった」(山井会長)要因は経費削減と販路構成の見直しによるもの。直営店と自社ECによる直販比率は54%(9月)。特にこれまでは卸ビジネスが中心で、日本に次ぐ売り上げ規模を誇るアメリカでは同比率が75%にアップし、山井会長は「SPA(製造小売り)に近づいてきている」と話す。加えて価格の適正化なども寄与し、粗利益率は23年度に比べて7~8ポイント改善した。

 不採算店の閉鎖やSKU(在庫最小管理単位)の削減などにも取り組み、24年と25年の2年間で計約30億円の経費を削減。23年度に104億円まで膨らんだ在庫高は今期、23年度比45.7%減となる見通しで、「スポーツ・アウトドア業界で最も高い在庫回転率」になった。

 業績について山井会長が特に強調したのは今期9億円を見込む当期純利益だ。「23年度決算では減損処理を行ったことで純利益は(22年度比で)99.9%減の100万円となったが、営業利益と経常利益はきちんと出ていた。にもかかわらず、当時はそこのみを切り取って『純利益99.5%マイナス』『キャンプはもう終わり』とセンセーショナルに報道された。しかし今回、純利益は100万円から9億円の900倍に増える。メディアの皆さんには『キャンプ大復活』と書いていただきたい」と訴えた。

会見中、「キャンプ大復活です」と語気を強めた山井会長

新戦略の具体的内容は?

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