ポーランド、毛皮用動物の飼育を段階的に禁止へ

2025/12/16 06:25 更新NEW!


 【パリ=松井孝予通信員】欧州最大の毛皮生産国ポーランドで、毛皮用動物の飼育を段階的に禁止する法律が成立した。新規飼育は即時停止し既存農場も33年末までに閉鎖する。10月に議会で超党派の賛成で可決され、12月2日にナブロツキ大統領が公布した。ポーランドは中国に次ぐ生産国として欧州の供給拠点とされてきたが、新型コロナ禍で顕在化した感染症リスクや主要輸出先の需要減を背景に産業は縮小した。世論調査でも国民の68%が国内での毛皮用動物の飼育に反対していた。

 EU(欧州連合)では、毛皮用動物の飼育を巡る議論が続く。23年に飼育廃止を求め150万筆を超える市民請願が提出され、今年7月には欧州食品安全機関(EFSA)が現行のケージ飼育では動物福祉の改善が困難とする科学的意見書を発表した。欧州委員会は今後、対応方針を示す見通しだ。ポーランドの決断は、EUに先立ち、加盟国レベルでの政策を実行段階に移した。



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