JAPAN BLUEの魅力を世界に(黒崎祥)

2017/03/15 17:43 更新




ここ数年、ベイ・エリアどこのアパレルブティック店に行っても、藍染や「SHIBORI」という字を見見掛けるようになり、私個人でも藍染というものに興味を持つようになりましたが、どのような工程を通して独特な色合いとパターンが生み出せるのか、そもそもどのインディゴ商品も同じで藍から染まっているのか、謎に満ちていました。

その奥深さをもっと知るために、徳島で独自に藍を育て、染料となる蒅造り、染色、製作、販売までを一貫して行なっている団体、「BUAISOU」を今回ご紹介したいと思います。

私もインスタグラムでフォローし始めて僅か1年弱ですが、日本国内で頻繁に行われているワークショップをいつか受講したいと思っていた処、思いもかけず、ひょんなきっかけでその願いが叶ったのです。

…と言うのも、私が帰郷するまでもなく、幸運にもBUAISOUがアメリカのベイ・エリアにワークショップを行うため訪れていたのです。

 若手チーム4人で2012年に起業したBUAISOUは、2014年にはニューヨークのブルックリンにスタジオを設置しました。そして日本独特の深く冴えた色合い、いわゆるジャパン・ブルーの藍染で多くの人を魅了したいと考え、ワークショップを始めることにしたようです。

徳島は藍栽培で知られていますが、かつて2000軒もあった藍師は今ではたったの5軒のみ。

栽培、刈り取り、更に200日以上の発酵期間と、1年越しで染料となる蒅(すくも)が造られる根気のいるプロセスですが、その間、湿度の高い部屋でどの箇所も温度が一定になるよう混ぜ合わせる作業の繰り返しだったり、枝と葉を丁寧に仕分けするなど、地味で決して楽ではない過酷な労力が欠かせません。



 

古くから変わらず行われているこの伝統技法は地獄建てとも呼ばれるほどです。然し、こういう作業を経て初めて、あのジャパンブルー、鮮やかで深い発色の自然のめぐみが得られるのです。

 


 

 徹底的に伝統的な技法を守りながらも、染めるものには枠にはまらず、何でも挑戦するのがBUAISOU。このユニークな発想でスニーカーや、けん玉なども染め、そのアウトロー的な姿勢が天然藍染の可能性を更に広め、脚光を浴びるきっかけにもなったのでしょう。世界からコラボレーションの問い合わせが後を絶たないそうです。

今回ワークショップの話は、カリフォルニアのワイン造りが盛んな町ソノマです。主に日本の伝統文化や技術をワークショップやイベントを通して広めているソノマの団体、SONOMA CULTURAL EXCHANGEにBUAISOUは招待されました。

 


 

テックなサンフランシスコに隣接していながら、ベイ・エリア全体に根付く元ヒッピーカルチャーの、環境に優しい、サステナブルでオーガニック、自然な物を好むのという特徴のある地域です。

栽培、収穫、発酵とワイン造りと生産工程がとても似ていることに両者、主催者側とBUAISOU共に驚いていました。参加者の中には独自で藍栽培までしている人もいて、「ものづくり」に対して目がないこの地域は、2週間余りのワークショップ全てが即完売となる盛況ぶり、車で2時間かかるサンノゼからも参加者がいるなど、天然藍染にとても関心が高かったのです!

ワークショップではあらかじめ手が青に染まらないように手袋が用意されてましたが、殆どの人が素手で染料を触る程熱心で、手を出した時の色合いに感動の騒めがありました。「昔からジーンズを履いていたからかなのかな、インディゴの青色に癒しを覚えるわ」と参加者の一人の呟きが印象的です。


 

ソーシャルメディアの熱が冷めない世界にサンフランシスコとシリコンバレーのバブル期は不安定ながら継続しており、逆にファストファッションの熱が冷め始めてスローファッションに注目が高まり、ひとつひとつの商品に製作者側が思いを込めたストーリー性を上手く表現しているか、エシカルに製作されているものか、消費者は極厳しい目で商品の選定を行うようになってきました。

本来この土地特有の「ものづくり」への思いが以前より増して極めて強い中、そして環境に優しいものにどこよりも付加価値を覚えるこの土地に、自然の力で出せるこのジャパン・ブルーの魅力に火がつくのは当たり前なのかもしれませんが、うますぎる絶妙的なマッチングだと感じました。今後さらなるジャパン・ブルーの広がりが楽しみで仕方ありません。

 BUAISOU

ウェブサイト:http://www.buaisou-i.com/

Instagram: @buaisou_i
Facebook:https://www.facebook.com/buaisou.i

SONOMA CULTURAL EXCHANGE

ウェブサイト:http://www.sonomaculturalexchange.org

テックなサンフランシスコに隣接していながら、ベイ・エリア全体に根付く元ヒッピーカルチャーの、環境に優しい、サステナブルでオーガニック、自然な物を好むのという特徴のある地域です。

栽培、収穫、発酵とワイン造りと生産工程がとても似ていることに両者、主催者側とBUAISOU共に驚いていました。参加者の中には独自で藍栽培までしている人もいて、「ものづくり」に対して目がないこの地域は、2週間余りのワークショップ全てが即完売となる盛況ぶり、車で2時間かかるサンノゼからも参加者がいるなど、天然藍染にとても関心が高かったのです!

ワークショップではあらかじめ手が青に染まらないように手袋が用意されてましたが、殆どの人が素手で染料を触る程熱心で、手を出した時の色合いに感動の騒めがありました。「昔からジーンズを履いていたからかなのかな、インディゴの青色に癒しを覚えるわ」と参加者の一人の呟きが印象的です




NY育ち、東京のファッション市場でのコンサルティングをへて、現在在住のサンフランシスコ・ベイエリアに移住し、ローカルブランドの育成やジャパニーズブランドの市場開拓サポートなどをしながら個人で活動中。ファッション問わず、消費動向に関わること全て、不動産・カルチャーなどにも興味を持つ。自然、動物コーヒー好き。




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