【PR】【DXを語る】デジタルをビジネスモデルやコミュニケーションの進化に

2021/10/25 00:00 更新


 クラウドサービスを中心に、衣服・ライフスタイル製品の生産プラットフォーム事業を運営するシタテル(熊本市)は、アパレルのサプライチェーンの変革を目指し、現在「sitateru CLOUD(シタテルクラウド)」で衣服製販にまつわるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。一方、織物製造で国内最大手の丸井織物(石川県中能登町)は、ものづくりとテクノロジーの融合を進め、新規ビジネスの創造にも力を入れる。シタテルの河野秀和代表取締役と丸井織物の宮本米藏取締役副社長が、ものづくりとDXの現状、未来について語った。

物作りとデジタルを融合

――両社のデジタル化の取り組みについて。

宮本氏/当社は80年代にFA(工場自動化)に取り組んだのが最初で、織機の稼働状況や停止の原因分析に生かしてきました。最近では1200台の織機をオンラインでリアルタイムに把握しているほか、これを前後工程、外注先、海外工場にも広げています。

 15年からの中期経営計画では〝物作りとITの融合〟をビジョンに掲げ、センサーやカメラを工場に導入して生産過程の見える化が一気に進みました。ITによるビジネスモデルの進化にも取り組み、オンデマンドサービスの「Up-T」(アップティー)「ミチネイル」など展開しています。

河野氏/当社は14年創業で、創業当初は、縫製など川中を中心とした生産プラットフォームを展開してきました。大手から中小、一般企業まで衣服を作りたい事業社2万2000社と、ものづくりができる国内外の縫製業などのサプライヤー1500社に登録いただいており、これら双方向に対するサービスソリューションを提供しています。

 最近ではクラウドを活用した「シタテルクラウド」をリリースし、衣服の生産・販売業務を次のステージへと進めています。ローンチから1年半ほどですが、SaaS型のサービスを提供できたことで知名度も高まり、多くの方にご利用いただいています。

シタテル代表取締役・河野秀和氏

日本の技術生かし、新規ビジネスに

――改めてDXの意義、必要性は。

宮本氏/新興国が大規模投資を行ってシェア拡大する中、デジタル活用でこちらも競争力を高めていくことが求められています。一方でDXの必要性は感じつつ、現場では導入が進んでいない現状があると思います。

 また製造業のデジタル化というと合理化の視点が意識されがちです。しかしそれだけではビジネスは拡大しませんし、コスト競争だけになってしまいます。日本の固有技術を生かしながら、デジタルと掛け合わせることで新規ビジネスに生かしていく視点が必要だと感じます。

河野氏/デジタルによる生産効率の向上は当然の効果です。それだけではなく、私たちは当初から、「コミュニケーションを変えていきたい」という思いを持っていました。これまでアパレル業界では、サプライチェーンにおける各プレイヤーのつながりが分断されていましたが、この状況を変え、シームレスにつながることのできる世界を目指しています。衣服作りに関わるさまざまなプレイヤーが相互に能動的に会話し、精度の高いコミュニケーションにつなげられるようサポートしていきたいです。

 また、海外展開も視野にいれており、現状では、海外工場とのやり取りのために、英語・中国語に対応しています。

丸井織物取締役副社長・宮本米藏氏

在庫レスの仕組みをBtoBに応用

――大量生産、過剰在庫の問題がクローズアップされている。

宮本氏/物作り側の一つの答えとして、マスカスタマイゼーションで解決していきたいと考えています。問題なのは品種やロットの変更に伴うロスの発生です。例えば織機で品種変更する場合、ビーム交換など切り替えに2時間以上かかっていました。これが今では30分を切るところまで短縮しています。設備やラインの組み換えも進めながら、10分未満を目指したいと思っています。

 これができるとコストにも効いてきますし、ビジネスモデルも変えていける。テキスタイルはやりようによってオンデマンドに近いところまで可能だと思います。あとはシタテルさんのようなサービスとつなげていければ面白い。

河野氏/アパレルでは「機能拡張」「進化」「継続性・持続性」というキーワードが大事だと考えていますが、マスカスタマイゼーションまでは対応できていないのが現状です。ただし、受注生産型のECサービスはすでに展開していまして、設定した数量分の注文がまとまればシタテルの生産システムを使って配送まで対応する在庫レスな仕組みです。これをBtoB(企業間取引)型にアレンジできれば可能性も広がると思います。


プラットフォーム活用で環境負荷を半分に

――サステイナビリティー(持続可能性)の重要性が高まっている。

宮本氏/デジタルで生産条件を監視できるようになり、これがトレーサビリティ(履歴管理)にも生きています。サステイナブル(持続可能な)への関心が高い客から情報を求められる機会が増えていますが、データをすぐに提供でき、「透明性の高い生産現場だ」と評価していただけています。DXの仕組みの中でトレーサビリティを確保することが重要と感じます。

河野氏/今年から「1/2 ENERGY プロジェクト(ハーフエナジープロジェクト)」を開始する予定です。これは、当社のプラットフォームを利用することで、衣服生産のバリューチェーン上で発生するエネルギーを従来の半分にする仕組み・環境を30年に向けて構築しようというものです。水や二酸化炭素の排出、労働負荷を半分に抑えるサステイナブルな仕組みを作っていきたいです。

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【お問い合わせ先】
株式会社シタテル
096-285-7519
marketing@sitateru.com

企画・制作=繊研新聞社業務局

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