シンガポール航空は、退役した旅客機の部品を独自の製品に生まれ変わらせる取り組みを始めた。シンガポール発祥のファッションブランドなど15ブランドが協力し、デザイン性に富むアップサイクル製品に仕上げる。ビジネスクラスの座席や客室の窓、座席頭上の荷物入れから作る家具、救命胴衣や機内のクッションカバー、ベッドシーツ、毛布などの機内リネンから作るアパレルやアクセサリー、使用されなくなった食器類から新たにデザインした食器などを販売している。
ファッションブランドの「トッコ・トスカーノ」が救命胴衣から作ったポーチや財布、クラッチバッグを21年12月に発売。また食器・雑貨の「スーパーママ」は空の旅から着想したデザインを、カスタマイズで食器にプリントできるワークショップを21年12月から開催し、22年1月にはアップサイクルした食器の販売を始めた。
22年1月から新たな製品を次々と立ち上げている。ファッションブランドの「アン・アイン」、家具・インテリアの「イプセ・イプサ・イプサム」、雑貨の「フォト・ファクトリー」がこの取り組みに参加。今後、ファッションの「ビヨンド・ザ・ヴァインズ」、ジュエリーの「ブライズ・メリー」「イントリーグ」「プロテスタ」、革製品の「バインド・アーティザン」、靴やアクセサリーの「チャールズ&キース」、家具インテリアの「コミューン」「ロジャー&サンズ」、レディスファッションの「レックレス・エリッカ」、ファッション・アクセサリーの「イン・ザ・レーベル」が製品を出す。
シンガポール航空のクリスショップのほか、それぞれのブランドのオンラインサイトや店舗でも販売する。地元発祥のブランドを活性化する目的もあり、シンガポール政府観光局が支援している。プロジェクトへの参加をさらに広げ、国際的なブランドとの提携も進めている。
22年3月までにシンガポール航空独自のアップサイクル製品「デザインド・バイ・シンガポール航空」も発売する予定だ。航空機の胴体から作るアビエーションタグ、救命胴衣から作るバッグなどを出す。