合同展ショップ・オブジェクトがニューヨークのピア36で開かれた。かつてニューヨークナウに出展していたが、ショップ・オブジェクトにくら替えしたブランドがちらほら見かけられた。「ニューヨークナウよりにぎわっている」という声の一方、「会ったことのないバイヤーに会えると思ったが、結局バイヤーは両方行くので既存客が多い」との声も聞かれた。繊維製品はアイテムにかかわらず、手触りがソフトなものが好まれた。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
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以前はニューヨークナウに出展していた内野(東京)は、久しぶりのニューヨーク合同展出展の場にショップ・オブジェクトを選んだ。米国はメーシーズやブルーミングデールズなど百貨店のECが中心のため、専門店の開拓が狙い。米国では厚手のタオルが良いとされているが、薄手タオルの利点を売り込んだ。バイヤーはまずワッフルのタオル(参考小売価格17~70ドル)を触り、その手触りの良さに「ワオ!」と驚くことが多かった。その後100番手糸の平織りタオル(45~120ドル)の柔らかさに驚嘆し、オーダーが入った。色はどちらも白が人気。ガーゼで仕立てたユニセックスのパジャマ(250ドル)も柔らかさが好まれた。
ジェトロが組織していた「ショーケース・ジャパン」が今回からなくなったが、そこに出展していたヤマヤ(奈良県)の「ヤハエ」は単独出展した。ショーケース・ジャパンではサンプルだけ送ってジェトロ(日本貿易振興機構)に商談を委託していたため、本社からスタッフが展示会場に来るのは初めて。ショップ・オブジェクトのオンラインで取引しているバイヤーと、初めて対面で話をする機会になった。オンラインで10軒ほど取引があり、今回の出展で新規が10軒くらい増えたという。商品は、ローゲージで編んだオーガニックコットンのソックスが好評だった。ガラ紡で紡いだオーガニックコットンの落ちわたを原料にしたソックス(卸売り価格18ドル)の人気が高かった。ガラ紡の紡績は希少で、40年以上前の靴下編み機を改造し、独自の技法で作っている。ただ、詳しい説明をしなくても、気に入ってオーダーするバイヤーが多かった。