【今日は何の日?】吉田茂の身に着けるものへのこだわり

2017/09/22 04:24 更新


 1878年9月22日は、首相も務めた政治家、吉田茂の生まれた日です。実父は幕末の志士、竹内綱。ただし、事情があって竹内綱の親友、吉田健三の養子となっています。吉田健三はジャーデン・マセソンの横浜支配人でしたから、当時としてはハイカラな環境であったと思われます。ジャーデン・マセソンは幕末から日本に進出していた、有名な貿易商です。

 吉田茂について、娘の麻生和子著『父 吉田茂』に詳しく出ています。後に九州の富豪、麻生多賀吉と結婚したので、麻生姓に。麻生太郎は麻生和子の息子です。

 オーデコロンは「ピノー」と決まっていた。葉巻は「ヘンリー・クレイ」が好きだった。その昔、英国大使だった頃の話。フランスのエクスレバンに滞在。泊まったホテルで、ある紳士とすれ違う。その紳士は葉巻をくゆらせていた。吉田は娘の和子に言った。「あの葉巻の銘柄を聞いてこい」。和子は致し方なく聞く。「なんという銘柄でございましょうか」。それが「ヘンリー・クレイ」だったのです。

 恐縮している和子に紳士は言った。「父君の佳(よ)きご趣味に、敬意を表します」。葉巻に火をつけるマッチは、英国の「ブライアン・アンド・メイ」のものに決めていたという。(服飾評論家・出石尚三)

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