《どうなる中国どうなる上海》ロックダウンの後始末 当面の焦点は家賃減免

2022/07/15 06:29 更新会員限定


上海は7月に入り活気が戻ってきたが、消費はまだ鈍い。路面店が多数並ぶ中心部の愚園路も多くの店が閉じている

 22年上期の中国経済は新型コロナウイルス感染拡大とゼロコロナ政策に翻弄された。6月から一部経済は回復基調にあるが、くすぶる感染で消費は低調というのが現状だ。今後は2カ月間の都市封鎖により消滅した売り上げの影響により、多業種で倒産・閉店が出てくると予測されている。しかし回復基調になれば巨大な中国内需は、グローバル企業にとっても無視できない市場だ。この間、ECでは買い場の変化も起こった。巨大都市上海の都市封鎖を軸にした中国アパレルの現状をリポートする。

(上海支局)

3カ月以上の打撃

 7月中旬段階で中国経済を大きくとらえると「生産と投資は回復したが、消費はいまだ低調」だ。特に上海は4、5月の2カ月間、都市が完全封鎖され、解除後の6月も人出が少なく、小売りは丸3カ月間にわたって大きな影響を受けた。

 アパレルの状況をみると、生産への影響は「上海以外なら軽微」「上海近郊だと約1カ月停止」と比較的軽微。物流は「国内物流は1カ月影響」「輸入は2カ月停止で、今も影響が残る」と生産より打撃は大きく、販売は「2カ月は完全停止で、7月も厳しい」という状態だ。

 小売店をみると、上海市に店舗・商品倉庫を集中させている小売店は、丸2カ月の売り上げが飛んだ。上海の倉庫への納入・店舗配送・EC宅配すべてが止まったためだ。これまでのコロナ禍では店舗を閉鎖してもECで売り上げを補えたが、この2カ月は物流が止まりEC販売もできない初の体験となった。



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