仕事離れての部活動・サークルで交流、気持ちリフレッシュ
仕事を離れての部活動やサークル活動は、職域や年齢を超えた交流を通じて、気持ちをリフレッシュしてくれます。仕事が忙しいと社内でのコミュニケーションがどうしても不足してしまいますが、部活・サークル活動はそれを補う効果もあります。各社の伝統ある部活動や有志の集まりを紹介します。
自転車・みんなで前へ進む
■トリニティアーツでは、自転車が大好きな社員たちが有志で集まり、通称TACC(トリニティアーツ・サイクリングクラブ)として活動しています。昨年の木村治社長の誕生日に、社員全員で自転車を贈ったことがきっかけで発足しました。
初回は東京・有楽町を出発し、自転車に乗って横浜の赤レンガ倉庫をめざしました。その後も鎌倉、相模湖、川越、浅草、富士山など、活動を重ねてきました。目的地ではおいしいご飯や温泉を楽しみ、社長を含め皆で未来を語り合います。
「自転車は1人で走るスポーツではありません。先頭走者が風よけになってスピードを上げたり、途中で走行順を交代しながら前に突き進んでいく。こうした『ワンフォーオール、オールフォーワン』の精神は、当社の仕事に対する前向きな精神にもつながっています」といいます。
現在のメンバーは9人。公式な部ではありませんが、同じアダストリアグループのポイントの社員も参加するなど、会社単位を超えた活動となっています。
華道部・心のゆとり取り戻す
■ワールド華道部は、会社の創業時から50年以上続いている伝統あるクラブです。創業者である木口衞社長(当時)が、礼儀・作法や華道、茶道といった伝統的なものを大切にしていたことや、仕事が忙しくても心のゆとりが必要と考えていたことが華道部創設のきっかけだったと言われています。
現在、部員数は30人ほどで、中には20年以上続けている人や師範の資格を持つ人もいます。
華道は、四季折々の樹枝・草花などを切って花器に挿し、その姿の美しさなどを観賞するもの。その本質を追求しながらも、月1回ペースで社員食堂で開催している同社の華道部はアットホームな雰囲気で、社員同士の親睦の場ともなっています。
「忙しい仕事の合間に心のゆとりを取り戻す時間、季節感を感じ取る場になっています」とはベテランの部員。現在の講師は眞生未生流六世家元である北荘貞甫さんで、父である四世家元から代々引き継いでいます。
釣りなど26あり!・自由な発想の源泉
■ゴールドウインの部活は何と26を数えます。ジャンルもテニスやサッカー、自転車、オートバイ、ランニング、ゴルフ、剣道、ヨガ、登山など様々。野球は事業所ごとに計3チームあり、ソフトボール部もあります。毎年秋には本店のある富山で大会を開き、交流試合をしています。
部活では家族を巻き込んだ交流も盛んです。フィッシング部が7月下旬に開催した海釣り企画では、家族にも参加を呼びかけ、当日は約15組30人が集まり、船釣りを楽しみました。
驚くのはこうした活動に会社から補助が出ていること。「スポーツファースト」の理念を掲げる同社にとって、社員が日常的にスポーツを楽しめる環境を作るのは会社の基盤を守るのと同じ。社員が積極的にスポーツに触れ合う風土を醸成するため、担当部署が活動内容をきちんと精査し、予算を配分しています。
もちろん部活動が仕事に生かされる例は多くあります。特にアウトドアは自社製品の使い勝手を検証したり、企画に生かしています。ただ、必ずしも同社が扱っているジャンルばかりではありません。適度な〝遊び〟のあることが、自由な発想の源泉になっているようです。
野球部・上下関係なく楽しむ
■ヤマトドレス野球部は四十数年の伝統があります。
東京都千代田区軟式野球連盟5部リーグに所属し、春、秋の年2回の大会に向けての活動がベースになります。上部(3部)リーグに所属していたころは「先発ピッチャーが試合前に、お握りを食べているだけで『やる気あるのかっ!』と喝が入る雰囲気がありました」とキャプテンの高橋昌利さん。
現在は部員の約半数が野球未経験者。「今の若手は子供のころに、近所の公園で野球をすることが無いみたいで。技量はともかく、リラックスした感じでやってます」。しかし「先輩であっても下手なプレーをすると、後輩から野次が飛んできますよ」とも。グラウンドに職場の上下関係は持ち込まないスタイルです。
「野球部で集まるときは仕事の話はしません。でも、仕事では見せない意外な一面が見えたり、年齢に関係なくコミュニケーションをとれることが良いですね」。
7月27日には、千代田区の特別大会に出場し、5部リーグの「最高裁ファルコンズ」と対戦。スコアは4対12で敗退したものの「秋の大会に向けて頑張るぞ」と全員で決意を新たにしています。
清掃活動・社会貢献の輪広げる
■今年4月に発足したクラボウの10ー100(テン・ハンドレッド)プロジェクトは、社内の清掃活動を活性化するための取り組みです。
運営メンバーは本社の若手中心に14人。「社会貢献に参加する意義や楽しみを社内に広げるために」などをテーマに、毎月の会議で話し合い、大阪で開催されたスポーツゴミ拾い大会にも参加。様々な社会貢献のあり方を経験し、社内にフィードバックしようとしています。
本社の清掃活動は08年の120周年を機にスタートしました。毎月1回ビル周辺を清掃していましたが、年々参加者が減少。一昨年にはピーク時の約半分となり、参加者を増やすためこのプロジェクトが始まりました。
今年は、清掃活動参加者10人ごとに抗ウイルス加工「クレンゼ」のタオルハンカチ100枚を病院や児童養護施設に寄贈します。活動内容や参加人数を報告するポスターを社内に掲示するなど周知活動を積極的に行っています。
参加者は4~7月累計で102人と例年同時期の倍近い人数を達成しました。配布はクリスマスを予定しており、タオルのデザインや配布方法などを考えるのも楽しみの一つです。
番外編・3チーム掛け持ち助っ人も
■「ユージュ」のデザイナー、弓削匠さんは筋金入りの野球好き。現在は、東京・三宿のクラブ「ウェブ」が母体の「三宿ニャンニャンタイガース」や「ヤノテクノポリス」など三つのチームに所属し、多い時にはそれぞれのチームの試合に週3回参加しています。
「平日にやることが多いので、ゲーム日はかぶらないんですよ。昨日は朝9時のプレーボール。もう熱中症一歩手前です」と言いながらも楽しそう。世田谷公園などで行う三宿タイガースの対戦相手は、ピエール瀧さん率いる「ピエール学園」などちょっとユルいチームばかりです。「それでも、広いフィールドで体を動かすっていうのは気持ちいいもんですよ」。
声が掛かればアバハウスなど他チームへも助っ人参戦するそうです。
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このページは8月8日付の繊研新聞6面 SenkenCommyunityに掲載しています 。
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