第46回繊研賞贈呈式開く 物作りの視点で生活を豊かに

2024/07/02 17:00 更新


特別賞を含め6者に記念盾が贈られた

 第46回(23年度)繊研賞の贈呈式が7月1日に都内で開かれ、特別賞を含め6者に記念盾が贈られた。選考委員を代表して新井良亮選考委員長(日本鉄道広告協会会長・ルミネ元社長)は「混迷・激動の時代で先行きが懸念されるが、日々の生活を豊かにするファッションは大変重要。長い歴史を持つ日本だからこそ、物作りや地域の視点で考えていくことが重要であり、明るい一面を照らしてもらいたい。受賞を契機に産業界のリーダーとして役割を発揮してほしい」とあいさつした。

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 贈呈式での受賞者のコメントは次の通り。

〈繊研賞〉

東レの大矢光雄社長

 「第1回の『エクセーヌ』以来、46年ぶりに単独で繊研賞をいただいた。今回受賞の『ナノデザイン』はアパレル、ファッションだけでなく、資材やメディカルなどに広がっており、一層の技術開発で繊維産業の発展に寄与したい」

文化学園の清木孝悦理事長兼文化学園大学学長

 「100年前に日本初の洋裁学校としてスタートし、戦後は既製服、現在は予測力や思考力がある人材の育成を進めている。新たな時代でも教育研究活動を通じて人々の豊かな生活と社会の発展に貢献していきたい」

まとふの堀畑裕之氏、関口真希子氏

 「サステイナビリティーが話題になっているが、伝統的な手仕事や日本人が培ってきた知恵も大事。これをファッションの世界で評価していくと同時に、その知恵から学んで新しい物作りをこれからも続けていきたい」

マルオリグループの宮本徹代表取締役会長

 「当社は80年近く合繊織物を手掛けている。海外の工場も見ていて、日本の物作りや人作りはすごいと感じる。これを生かして付加価値がとれるようにしていかなければいけない。賞は北陸産地にいただけたと思っている。ファッション業界を含め、皆さんの役に立てるように頑張りたい」

ワークスタジオの原和広代表取締役

「繊維廃棄物からボードを作っている。多くの繊維廃棄物が焼却・埋め立て処分されているなか、大きな受け皿になろうとしている。日本のみならず世界で、持続可能なファッション産業や繊維産業に貢献していきたい」

〈特別賞〉

島精機製作所の島正博名誉会長

 「繊研賞を含め、3回いただいた。手袋からスタートして『ホールガーメント』を開発し、コンピューターを使って色や形を無縫製で実現し、地球の裏側にも電送できる仕組みを作った。ホールガーメントはほどけば子供服を作れ、廃棄しなくても再利用できる。それが今の時代に大切だと評価されたと思っている。心から感謝したい」



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