《EC担当者を訪ねて》セキミキ・グループ 嶋内一紀さん パーソナライズで売り上げアップ

2025/08/27 06:29 更新NEW!


セキミキ・グループ EC事業部事業部長 嶋内一紀さん

 レディスセレクトショップのセキミキ・グループ(福岡市)は全国に66店を展開している。自社ECは約10年前に立ち上げた。OMO(オンラインとオフラインの融合)やパーソナライズ化に力を入れ、ECが収益の柱に成長した。

 ――ECの状況は。

 全社売上高に占めるEC比率は2割ほど。そのうち自社ECは7割、ECモールが3割という構成です。一方、利益面ではECが半数近くとなっています。顧客基盤の強い九州地区では店舗で購入するお客が多く、近畿地区はECで購入するユーザーが多いのが特徴です。

 ――ECで効果のあったサービスや施策は。

 ユーザーの購買行動や趣味嗜好(しこう)に合わせたECコンテンツのパーソナライズ化に取り組んでいます。中でもメイキップの「アウン・パーソナライゼーション」が売り上げに直結し、今年度は1000万円近くの増収につながっています。特にユーザーの体形に合うサイズが欠品している場合に、在庫があってなおかつ、サイズやカラーといった特徴が類似しているアイテムを自動表示する機能の反応が良いです。これまでの販売機会ロスを実感し、希望する商品の在庫がなかった場合は「似ている商品を購入したい」というニーズが想像以上に大きいことが分かりました。

 ――販売員の力も貢献している。

 ショップの接客が強い店も多く、ECと店舗の壁をなくし、お客の購買体験を向上させるには、販売スタッフのモチベーション向上が欠かせません。導入しているのが、お客がECで購入する際に、販売スタッフの社員番号を入力してもらう制度です。

 お客にはポイントで還元し、販売スタッフには個人売り上げに加算するもので、全店で年間3500万円ほどの売り上げになっています。また販売員のSNS投稿経由のEC売り上げは、その2%を給与に上乗せする仕組みも作っています。

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