「ヴィリダリ・デセルタ」 〝他がやらない〟ゴルフ用品でヒット

2025/10/15 11:30 更新NEW!


 日本ブランド「ヴィリダリ・デセルタ」がゴルフ用品を軸に成長している。ヴィリダリ・デセルタは三重県四日市市で縫製工場を営むイングのグループ会社で、アパレル企画・EC運営などを営むエスディーアイ(SDI)のオリジナルブランド。当初はルームウェアやライフスタイルウェアを手掛けていたが、20年から始めたゴルフウェアがヒットし、今やブランド売り上げの約70%をゴルフラインが占める。

(杉江潤平)

 製品の特徴はオーガニックコットンや再生ポリエステルといった環境配慮型素材を使っていること。「他がやらないことをやる」(渡邉俊介社長)をモットーに、縦や横のバイカラーでシンプルなデザインのゴルフウェアを充実。定番はカジュアルだが品のあるポロシャツやモックネックシャツなど。

ウェアはバイカラーでシンプルなデザインが中心

 ブランドポリシーを体現し、売れ筋になっているのはカートバッグ(税込み1万6500円)。かぶせとファスナーが付いたポケットは貴重品入れとなる。サメがブランドのキャラクターで、ワンポイントのデザインにもなっている。デザインディレクションは渡邉社長自ら手掛ける。

売れ筋のカートバッグ

 以前は卸売りをメインに販売していたが、現在は自社ECと22年に中目黒にオープンした路面店が中心で、卸先は一部にとどめる。路面店は売り場の半分を、シミュレーションゴルフを24時間楽しめるスペースとし、閉店時も会員が有効活用できるようにしている。

東京都目黒区にあるインドアゴルフスペースを併設した路面店。会員は24時間使用可能

 ゴルフに参入したきっかけはコロナ禍。緊急事態宣言下に本格的に再開したゴルフで渡邉社長がブームを確信し、自社工場を活用して製品を企画・開発・生産した。シンプルで上品なウェアが注目され、複数の百貨店で期間限定店を開くなどで認知度を上げた。顧客を得た現在は、自社販路を軸とした販売に注力するようにしている。

渡邉俊介社長

 今後力を入れていくのはECだ。これまではイメージと見た目の格好良さを重視した作りだったが、6月にリニューアルし、アイテムごとの製品説明を充実させ、ウェブ上での「接客」に重きを置くようにした。その結果、EC売り上げが伸びているという。現在、ヴィリダリ・デセルタの売上高に占めるEC化比率は10%程度だが、3年後の28年5月期には25%へ高める計画だ。



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