東海地区のショッピングセンター、回復したニーズ獲得 アパレルで強さを発揮

2023/04/13 11:30 更新


「ショッピングの楽しみを創出する」ゾーンとしてアパレルを強化する(モレラ岐阜)

 多くのSCがコロナ禍で売り上げの落ち込んだアパレルゾーンを縮小し、食・アウトドア・家ナカ対応を強化するなか、アパレルゾーンを縮小せず感度も落とさなかったSCが今、需要回復の追い風を受けている。東海地区のSCでもアパレルを重視してきた館が復活したニーズをつかみ、売り上げを伸ばしている。

 モレラ岐阜(岐阜県本巣市)は感度を保ってきたアパレルの強みを生かし、好調に推移している。22年12月期の売り上げは274億円で、今期も過去最高の280億円を目標に掲げる。昨年導入したスーパー「ロピア」が集客に寄与しており、23年2月~3月下旬は、食品の売り上げが19年同期比で2.6倍。雑貨が30%増、「数を減らさないように」重視してきたアパレルのゾーンは19年の売り上げに到達し、館全体では19年の売り上げを20%上回って推移している。

 同館は足元の人口が少ないエリア。商圏を広域に保つためにも「ファッション感度はコロナ下でも高く守ってきた」。雑貨や食は買い回りや来館頻度を高めるゾーンとする一方、アパレルはショッピングの楽しみを創出し、遠方からの来店につながる大切なゾーンと位置付ける。人と会う機会が増え、30代を中心とした女性ファッションが好調に動いた。

 新静岡セノバ(静岡市)は2月単月の売り上げが前年同月比14.6%増と好調だった。19年と比較すると1.2%増。政府がマスクの任意着用を発表した時点から動きが変わり、来店者数は13.4%増加した。

 特に動きが顕著なのはアパレルのカテゴリーだ。27%増加し、オケージョンニーズやシーズンへの意識が高まり、堅調だ。オフィスカジュアルも動いた。

 今秋から来春にかけてはファッションフロアの改装も予定する。オープンから10年以上が経ち、顧客も年齢を重ねるなか、若者向けを強化する。また、セールのあり方が変わり、「高くても欲しいものは買う」消費動向にも注目。値段よりも高感度なセレクトを重視し、強いファッションフロアを構築する。



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