札幌商圏で11月30日、二つの新施設が開業した。全国的に商業施設の開発にブレーキがかかっているが、中心部で建て替え期を迎えた建物が多いこともあり、札幌では開発が相次いでいる。札幌駅では新幹線延伸に伴い商業施設も変わる。ここで開いた「ココノススキノ」「ビビ新さっぽろ」とも大型とは言えない規模だが、それぞれショッピングにとどまらないコミュニティー機能を充実、街のにぎわい拠点になることを目指す。いずれも地域に新たな魅力を付加しており、集客、売り上げとも順調に立ち上がった。
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札幌の繁華街、すすきので第1期が開業したココノススキノ(運営は東急不動産SCマネジメント)は、午前中は高齢者、午後からは学生などの若者、夕方はサラリーマン、OLなどと、夜に強いエリアでにぎわいの時間帯を広げている。想定を上回る来店客数が売り上げを押し上げているという。JR札幌駅から快速で10分足らずの新札幌駅に直結、大型医療機関エリアとつなぐ形で大和リースが開設したビビ新さっぽろも立ち上がりは各テナントともレジ客数、売り上げが目標を10~20%上回っている。それぞれの再開発が好スタートを切った形だ。
ココノススキノは、70年代に百貨店として開業、20年までは商業施設・ススキノラフィアとして営業していた跡地を、東急不動産などが開発した。地下2階~地上18階の建物の延べ床面積は5万3104平方メートルで、上層がホテル、5、6階がTOHOシネマズ、地下2階~地上4階が85区画の商業ゾーンの複合施設。11月30日には商業ゾーンの50店余りとTOHOシネマズがオープンした。ニッカウイスキーの看板で知られるすすきの交差点、夜の繁華街の入り口にあって、オールターゲットで「街に来る人の層を拡大」(志村敦史総支配人)し、昼も地域を盛り上げることを目標に掲げた再開発となっている。
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