婦人靴の輸入卸・小売りのハヤシゴ(大阪、林幸一郎社長)は今春、生成AI(人工知能)を活用したモデル着用写真などのビジュアル制作サービスを始めた。フォトシューティング時のキャスティング、メイク、撮影、スタジオなどの経費と手間を掛けずに済む。自社のノウハウを新規事業に発展させた。
クライアントのイメージに合わせてブランド専属AIモデルを作成し、背景も様々な景色に対応する。商品写真を使った方が処理は早いが、デザイン画でも着用画像を完成できる。料金は1回のプロジェクト費用としての税抜き30万円に加え、紙媒体用のビジュアル10枚10万円、オンライン用30枚3万円。卸売り先のアパレル企業に紹介し、利用に結び付いた。
ハヤシゴは海外の様々なブランドから仕入れ、自社ブランドも企画しながらセレクト業態「トゥールモンド」などの直営店とECで販売している。販促物に使う写真は自社で編集しており、グラフィック担当の社員がAIを使ってモデル着用画像の生成を繰り返す中、意図したムードで自然体に見えるルックの生成が可能になった。26年春夏向けは生成AIを利用している。ただ、「カタログやウェブサイトの写真を生成AIで完結するのは違和感が出やすい。ECの一部写真や期中に差し込む商品の紹介など、部分的に活用した方がいい」という。「直営店では12カ月MDが地域ごとに異なり、必要なときに柔軟に対応できる」のが利点だ。
このほかにもハヤシゴは、独自の在庫管理のシステムも構築している。靴はサイズSKU(在庫最小管理単位)が多いため、アパレル企業が使っている在庫管理のソフトウェアでは使いにくさがあり、SKUが多くても管理のしやすいソフトウェアを開発した。一部の企業が導入している。
