老舗タンナー、山陽(兵庫県姫路市)は、オリジナルレザー小物ブランド「TAANNERR」(タァンネリル)の販売を強化している。得意とするサステイナブル(持続可能)な生産背景による最高級のヌメ革を使った商品を通して、自社の認知拡大やレザー製品の環境へのやさしさを広めたい考えだ。
同ブランドは22年立ち上げ。創業100年を超える山陽で初めての製品ブランドだ。自社ECと全国の百貨店などでの期間限定店で販売している。
主力は引き締まった革質が特徴のピットなめしのヌメ革を使ったバッグ、財布、小物など。バッグ産地として名高い兵庫県豊岡市の協力工場で縫製しており、重厚で上品な仕立ても魅力だ。

「皮革業界の中では老舗タンナーとして一定の知名度を確立できているが、消費者にはあまり知られていない。オリジナルブランドを通して、会社の知名度を上げていきたい」(同社)。
同社は皮革・革製品の国際環境基準監査団体レザー・ワーキング・グループ(LWG)の認証も取得しており、「環境にやさしい製法のレザー製品を、手入れしながら長く使うことはサステイナブルだと伝えたい」とも。
最近の売れ筋は厚手のヌメ革で仕立てたトートバッグ(税込み11万5000円)。そぎ落としたシンプルなデザインが、年齢問わず愛用できるアイテムとして受けている。

今後も期間限定店を中心に拡販を進めていく考えだ。