三陽商会、今秋冬5、来春夏2ブランド撤退

2016/10/28 19:02 更新


 三陽商会は28日、構造改革や今後の方向について公表した。7月に中期5カ年経営計画を取り下げ、杉浦昌彦社長を委員長とする経営改革委員会を設置、事業戦略の立案や財務面その他で前倒し可能な施策の検討を進めてきた。新経営計画の公表は17年2月の予定。

 着手した構造改革では、10月に募集した希望退職はほぼ予定通りの249人が応募した。撤退を決めたのは「ポール・スチュアートスポーツ」「バンベール」(レギュラー及びラージサイズ)「アレグリ」「フランコ・プリンツィバァリー」。撤退完了は17年2月を予定、17年8月までに2ブランドを加える。2ブランドは明らかにしていないが、「不採算かつ十分な成長が見込めないブランド」(杉浦社長)となる。不採算売り場は17年8月までに170カ所を削減、販売人員の効率も改善する。これらの施策で17年度に累計約45億円のコスト改善を見込む。

 既に46億円売却した保有株式に関しては、17年3月までに銘柄数を20から11に削減、保養所や美術品など遊休資産も追加売却する。予定していた本社新別館ビルの建設は17年2月まで一時凍結、新経営計画が固まる時点に判断する。これら株式の追加売却やビル建設の一時凍結などで50億円の資金を確保する。

 同日に発表した16年1~9月の連結業績は、売上高が前年同期比35%減、営業損益は83億400万円の赤字に転落するなど数字を大きく落とした。15年春夏で「バーバリー」のライセンス事業が終了、百貨店ボリュームゾーンでも苦戦した。「マッキントッシュ・ロンドン」「ブルー/ブラックレーベル・クレストブリッジ」の新規2事業の計画未達も響いた。新中計では、衣料品及び百貨店販路を重視しつつも、成長が見込めるファッションビルやEC、非アパレル領域の強化を組み入れる方針。



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