神戸阪急のアウトドア店が順調な滑り出し 個性光るセレクトで若年層も集客

2024/06/17 11:30 更新


稜旺で初のアパレル事業となった「@TRUNK(アットトランク)サポーテッドバイ・クルーザキャンプ」

 稜旺(リオ、兵庫県芦屋市、香山卓哉社長)が4月末に神戸阪急に出店したアウトドアセレクトショップ「@TRUNK(アットトランク)サポーテッドバイ・クルーザキャンプ」が順調な滑り出しを見せている。初めてアパレル事業に参入したが、個性派のアウトドアブランドを中心に、若い客層も引き寄せている。クレサヴァ(東京)の「サーキュラーファーム」回収ボックスも設置し、環境意識の啓蒙(けいもう)にも力を入れる。

(小田茂)

衣類を土に返す

 同社は23年10月に設立。香山社長が関西を中心に多彩なビジネスを手掛けてきた経験をベースに、様々な事業を仕掛けるクリエイティブ集団として、フィットネスジムやプログラミングスクール、コワーキングビジネスなどの企画・宣伝を行っている。

 アパレル事業を始めるきっかけとなったのが、クレサヴァの衣料品回収から農作物の肥料を作るサーキュラーファーム事業を知ったこと。「共感して、関西でももっと広めたいと思った」

香山社長

 そこで、同店に関西初となる常設でのサーキュラーファーム回収ボックスを設置。「神戸は〝ファッションの街〟として知られているが、兵庫県は第一次産業の農業も盛ん。環境意識の高まりにより、兵庫県への還元、神戸の盛り上がりにつながれば」と考える。

クレサヴァの「サーキュラーファーム」回収ボックスを設置

 アパレル事業の開始に当たっては、神戸阪急も店舗運営に協力し、香川県宇多津町のアウトドアショップ「クルーザキャンプ」も開業をサポートした。

ワークショップも

 店舗は「トランクに色々詰めこんで、アウトドアの旅へ出かけたくなる」といったコンセプトで、約330平方メートル。アウトドア向けのアパレルやグッズをはじめ、カヌーやファットバイクなどのアクティビティーを楽しむギア、国産木を使ったサウナ、食品や化粧品なども置く。

 扱いブランドはアウトドアで「ノルディスク」「50.50ワークショップ」「バーモントランタン」、アパレルやファッション雑貨で「ファッティー」「ダックローデパート」「ディッキーズ」など。オリジナルのパーカやTシャツも作った。

オリジナル商品は今後も雑貨などを開発していく

 開店後は英国アウトドアブランド「コブマスター」のバッグ、国内アウトドアブランド「デヴァドゥルガ」のワンピース、モバイルギアブランド「ルートコー」のTシャツなどが売れている。神戸阪急の既存客層と共に、若い世代の来店も増えている。

 今後も、さらに若い世代を中心とした集客を強化し、アウトドアに関する体験型のワークショップも開催していく。コーヒーを使ったイベントや子供向けカレッジ、トレイルランニング関連などの環境をテーマにした取り組みを進める。

 店舗にはギャラリーも併設しており、若手アーティストを発掘し、協業によるTシャツなどの開発も検討している。

若手アーティストを発掘するギャラリーも併設した


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