人事・人材サービスのアデコ(東京、川崎健一郎社長)は、緊急事態宣言下における管理職のテレワークの実態について調査した。緊急事態宣言以前からテレワーク経験のある管理職と、緊急事態宣言後に初めてテレワークを経験した管理職では、部下とのコミュニケーションやマネジメントに違いがあることが分かった。調査は7月、19年までにテレワーク経験のある管理職(以下、経験あり管理職)と、緊急事態宣言後に初めて経験した管理職(以下、未経験管理職)それぞれ300人に、インターネットで実施した。
緊急事態宣言下のテレワークで「部下と十分なコミュニケーションが取れた」は、経験あり管理職は67.0%だったのに対し、未経験管理職は52.7%と15ポイント近い差が出た。
部下とのコミュニケーションの「時間」については、未経験管理職は「減った」41.7%、「増えた」22.7%に対し、経験あり管理職は「減った」28.3%、「増えた」30.3%。「頻度」は、経験あり管理職は37.0%が「増えた」一方、未経験の管理職は24.3%にとどまった。
コミュニケーションの手段にも相違がみられた。未経験管理職が最も利用した手段は「メール」で49.0%。経験あり管理職(38.0%)よりも10ポイント以上高かった。経験あり管理職は「オンライン会議」「チャット」「電話」が、未経験管理職より高かった。また、部下とのコミュニケーションを取る工夫について、経験あり管理職は「部会・課会(オンライン)」(62.3%)、「個別面談」(54.7%)を活用。未経験管理職よりいずれも15ポイント以上高かった。未経験管理職で最も多い回答は「業務報告」(46.0%)だった。
「マネジメントの立場としてテレワークを実施して良かったと思う点」は、経験あり管理職・未経験管理職ともに「部下のワークライフバランスがとりやすい」に最も回答が集まった。「自身のワークライフバランスがとりやすい」も、経験あり管理職の2位、未経験の管理職の3位だった。「業務効率が上がる」は経験あり管理職は50%が良かった点として回答したが、未経験の管理職は30%にとどまった。
「今後もテレワークを続けたいか」は、経験あり管理職は「自身」「部下」ともに9割を超える一方、未経験管理職は7割と差が出た。