人気企業の人事が語るホンネ座談会

2016/03/08 19:58 更新


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【参加者】

オンワード樫山 北里 麻里絵さん(上記写真の中央)
 98年名古屋支店に一般職で入社、総務を担当後、09年から人財で新卒・中途採用・研修担当、13年総合職となり、15年結婚を機に東京店に転勤して販売人財開発部販売人財課リーダーとして販売職の新卒採用と研修を主に担当。

アンテプリマジャパン 中澤 元美さん(上記写真の左)
 07年総合職で入社、人材開発課、09年ショップサポートアシスタント、10年から六本木ヒルズ店、そごう横浜店販売スタッフ、12年ルミネ横浜店店長を経て、14年から人材開発課サブマネージャーとして採用や研修・教育を担当。

シティーヒル 八木下 芳郎さん(上記写真の右)
 大学卒業後、92年ミキハウスに入り、06年ライカに。延べ約10年間人事を経験後、09年シティーヒルに移り、人事マネジャー、人事部長を経て13年から取締役経営企画本部本部長。

 

 

 就職活動本番に向け、ファッション企業3社の採用担当者による座談会を開催しました。今の学生の傾向を踏まえた上で「求める人材」「エントリーシートや面接のポイント」などの事例を挙げながら、人事に関わる採用担当者が本音トーク!就職活動中の学生の皆さんにとってチェックしたいキーワード満載の内容をお届けします。

 

 

事業概要の特徴や直近の採用について教えて下さい。
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オンワード樫山の北里さん

 

北里:多岐にわたるブランドを軸に経営している総合アパレルメーカーです。自社ブランドでは紳士服の「五大陸」が堅調なほか、婦人服は「23区」「組曲」「ICB」が主力。海外ブランドは「ジョゼフ」、レディス「ポール・スミス」「トッカ」、最近は米国のセレクト店「オープニングセレモニー」を志望して弊社を受ける学生が増えました。業態は百貨店向けから、量販店向け、路面店まで、テイストもバラバラなので、さまざまな個性の学生、いろんなテイストに合う人を採用しています。

 新卒採用は四つの職種別に募集し、全国採用の総合職は各地域から選考後、最終的に東京で面接して今春は31人を内定。専門職では東京で採用するデザイナー、パタンナーなど技術職の内定者が例年並みの14人。各地域で採用するファッションスタイリストと呼んでいる販売職は240人を採用予定です。17年春の採用も、例年と同じくらいの人数を予定しています。


八木下:シティーヒルは4ブランドをもつレディスSPA(製造小売業)です。「マジェスティックレゴン」など20代前半向けヤングカジュアルが二つ、25~34歳のOL向けが「ルクールブラン」など二つ、計4ブランドで直営約130店、FC約30店、海外約70店。年商は15年2月期130億円、今期は140億円強の見込みで従業員は700人です。

 採用は例年、全国で100人前後。14年が140人、15年は約80人でした。総合職と地域限定的な販売専任職の2職種あり、16年春の内定者は合計約90人。約3割が総合職、7割が販売専任職という状況で、16年から高卒採用を再開しました。17年春は、もう少し増やして約100人を採る計画です。


中澤:ミラノ・コレクション参加ブランド「アンテプリマ」を主力に輸入、販売を行う小売業です。アンテプリマのクリエーティブ・ディレクター、荻野いづみは、ミラノ・コレクションで公式発表を続ける日本人女性です。独自商品のワイヤバッグの認知度が高いですね。

 16年春は総合職のみの採用で、8人の内定者がいます。もう少し採用したかったのですが、夏までで活動を終了しました。小売業は販売や店舗が軸となって会社が運営できているので、総合職でも入社後は店頭で経験を積むことを基本としつつ、新卒は個々の適性に応じていろいろな可能性があるため総合職採用を続けています。来年の計画では倍の15人を目標に採用活動を行う予定です。

 

キャリア形成の特徴は?

 

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アンテプリマジャパンの中澤さん

 


北里:総合職は入社1年目は必ず店舗を経験し、2年目から個別ブランドの営業やMDになります。2年目になる前に全員と面談して要望を聞きますが、ここ数年はMD志望者が多く、2、3年目にMDになった先輩を目標に頑張る姿も見られます。ビジョンのある人を東京に抜擢(ばってき)したり、地方出身者が地元の支店に戻ったり、支店間でも異動する例が増えています。

 一方、専門職は基本的に、その職種を極め、ファッションスタイリストなら店長や、3年ほど前に設けた複数店舗を運営するエリアマネージャーを目指します。店長職制には6階級あり、その上のエリアマネージャーは今、全国で100人以上いて、販売職の憧れの存在として組織に根付き始めています。販売経験をへて販促担当などへの職種転換する可能性もあります。

 女性活用については、女性活躍推進プロジェクトで1年かけて話し合った内容を受け、14年にダイバシティー推進課が設立され、いくつかの新制度を立ち上げました。例えば1年間の育休後、認可保育園に入れなかったら育休が2年間延長できる制度。小1の壁対策で、3歳までだった時短制度は、小3までに利用期間を延長しました。くるみんマークも何とか取得できたので、男性にも育児休暇を推進し、実績を伸ばすことが今の課題です。

 ダイバシティー推進課ができたことで、少子化はうそかと思うくらい担当者は毎月のように産休前面談を行い、4月の復帰予定者は200人いるそうです。女性が8割の会社なので良い人材が辞めないように、どの職種でも育休が取れ、その後復帰できるように制度を強化しています。

 

中澤:社長の森下は以前から「ファッション業界を活性化するために販売職の地位向上が不可欠。優秀な人材にブランドを継承してもらうためにも大事な点」と言ってきました。幅広い層のお客様がいて、長く愛用できるブランドという背景もあり、終身雇用制で長く働いてもらい、目標や夢を支援していく会社を目指しています。販売職の地位向上では、現場スタッフで一番上の仕事は店長というイメージが強いですが、当社は店長の上にセールスマネージャーとシニアセールスマネージャーという職種があります。現在は13人が現場に居ながら人材育成中心に、多岐にわたる仕事をしています。現場でキャリアアップでき、店舗でマネジメントを行うため、販売の仕事を全うしつつ、同時にダイレクトに運営に携われ、スピード感をもって仕事ができます。

 弊社は社員210人のうち女性が190人と、90%以上を占める会社です。子育て中の人も独身でばりばり仕事をしている人も、目標をもって長く働いてもらうため、今年から社内公募制度にも取り組み始めました。違う職種の求人があった時に手を挙げられる制度で、自分の可能性に挑戦したいスタッフに、職種転換の道を拡大しました。

 産休制度は、昨年は11人が活用しました。全社の5、6%の社員が休んでいる状態になりますが、ここ1、2年は出産後、ほぼ100%が復帰しています。いろいろな生活スタイルの人がいる中で、生活とのバランスも大事にしながら働ける新人事制度も14年7月に開始しました。店舗なら店長やセールスマネージャー、オフィスならマネージャーを目指すゼネラリストコースを柱に、自分の生活を重視したコース、スペシャリストとして働くコースなど、5コースを設けています。

 

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シティーヒルの八木下さん

 

八木下:まず店舗勤務を経験してから、自ら手を挙げ、キャリアを作っていくように話しています。店長になると店長会やブランドの会議で、いろいろな職種の社員と接するようになる中で、自分のやりたい職種、やりたいことをアピールできる機会が増えるので、自分の力でチャンスをつかんでほしいと言っています。「やらされ感でなく、意志をもってやりたい人に任せないと、結果が出ない」が社長の口癖。意志を大切にする社風で、管理職の異動でも本人が納得するまで話し合います。

 年2回、キャリアプランシートをアルバイトも含めて全員が提出する仕組みもあります。サブ店長や店長をやりたい、通勤が遠くて困っているなど人事的な要望も含め、1、2年内にやりたいこと、長期的に挑戦したいことの2軸で書くものです。各事業の中で補充や強化したいポジションがある時は、シートの情報を活用し、人選する仕組みです。

 ほかに社内公募で、プレスやSNS(交流サイト)担当などに手を挙げてもらう制度もあります。一時期、即戦力から中途採用を強化した時期もありましたが、昨年から社内でキャリアアップしていく道を作り、自社で育てる方針に戻しました。一人が登用されると、全社の目標になります。日々の経験が将来の可能性につながる実例として、取り組んでいます。

 女性の登用は例えば今、子育て中の統括マネジャーに定時の9時半から18時15分でなく、(保育所の)お迎えの時間に合わせて9時から17時という時短制度で対応をしています。業務などに差し支えないように運用できれば、個別に対応するスタンスです。結婚して夫の転勤で辞め、転勤から戻ってきた人や、出産で辞めて子供が少し大きくなって復帰する人向けに、再雇用制度も設けています。

 制度があっても実績を作り、利用者が増えないと浸透しないので、まず実績作り。僕が入った6、7年前は育休から復帰する人が特例で、1人か2人でした。今は第2子も入れると育休利用者が30人近くいます。女性九十数%、店舗の平均年齢は26、27歳。出産が身近な問題でない若い社員が多い中、将来を考えれば、お互い様と話し、受け入れ環境を整えています。


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