楽天ファッション・ウィーク東京24年秋冬はデジタル発表で8ブランドが参加している。ウィーク前半に発表したブランドは、それぞれの強みを分かりやすく工夫して描いた。
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ムービーの発表を続ける08サーカス(森下公則)は、テーラードとミリタリーのアイテムを軸に、歩く動作の中で映えるシルエットにフォーカスしてユニセックスの着こなしを見せた。女性のモデルが着用するコンパクトなラペルのジャケットは、ショルダーラインが柔らかに張り出し、体を包み込むようなフォルム。内側にプレス加工を入れた袖が立体感を帯びて動き、モダンな表情を作る。多彩に提案されるのは、ミリタリー系のアウター。MA-1から派生したブルゾンは袖が取り外せ、襟はひもで絞る仕様で、男女を問わず上品に着ることができる。鈍い光沢のトレンチコートは袖下が開放されてマントのような線を描き、軽やかにエレガンスを印象付けている。
イレニサ(小林祐、安倍悠治)は前回に続いてルックブックのような画像を発表した。現代的なテーラーリングの形、新しい価値を作り出そうと、重ねて着用できる汎用性と美しさを持ったスタイルを提案した。二重織りしたサキソニーを使ったジャケットやコートは、ハリと落ち感が同居する。静かなたたずまいに、さりげなく膨らみを持たせたラペルの重なりがアクセントになる。さらりとした梳毛のピンストライプを使ったワークブルゾンやシャツ。かしこまり過ぎず、エレガンスを備えた日常着として身近に感じさせる。セットアップのトラウザーはウエストの作りを必要な機能だけにし、着心地良さを持った現代的な装いへと進化させている。