フリマサービス「ピックユー」を運営するピックユー(東京、冨田理央社長)は、11月に正式にサービスを立ち上げた。22年8月のテストサービス開始以降、出品者の「個人の魅力」にフォーカスし、若者から支持を得ている。自社のSNSで発信している動画も人気だ。
ピックユーの主な出品者は、1万~30万人程度のフォロワーを持つインフルエンサー。匿名のフリマアプリが普及する中、出品者のSNSとサービスをひも付け「個人の魅力」を打ち出しているのが強み。
商品を自社の倉庫兼スタジオに回収し、物撮りとサイトへの出品作業を行う。商品が売れた後の購入者への発送も担っている。出品者からは、作業が梱包(こんぽう)のみで気軽に出品できると好評だ。
冨田理央社長と共同経営者の河合航大さんは高校の同級生で今年25歳。当初は冨田社長が大学在学中に一人でピックユーの元となるフリマサービスを運営していた。規模の拡大にあたり、発信やクリエイティブ面を強化するため「ファセッタズム」と協業するなどアーティストとして活躍していた河合さんに声をかけ、会社を立ち上げた。
河合さんがディレクションするSNSでの発信がピックユーの強みの一つ。コーディネートを聞くインタビュー形式の動画が人気で、インスタグラムは12月時点でフォロワーが4.8万人、ティックトックは開始後3カ月で4万人にまで伸びた。動画内のキャスティングにも力を入れ、パリなどで活動するモデルの原島隆斗さんらを起用し、これまでのフリマにはなかったクールなイメージ作りを実現する。
今後はオフラインのイベントも積極的に開催する予定だ。12月には1周年を記念したパーティーを開催し、盛況だった。冨田社長は「自分はビジネス面で河合がクリエイティブ面。2人のタッグで30年までに上場したい」と意気込む。