若手デザイナーの石澤駿氏が手掛けるユニセックスブランド「メゾンシュンイシザワ」(MSI)は3月5日、東京・渋谷に直営路面店「楽縁=LuckEn」をオープンした。鈴木遥大氏が手仕事で仕上げるHSジュエリースタジオと共同で開設したもので、新ブランドや両者が協業した提案なども打ち出す。
(大竹清臣)
直営店には独自のサービスを用意。MSIの強みである横ふり刺繍を担う職人でデザイナーの泉谷陽来氏が入り口にミシンを構え、個人オーダーも受ける。
店内の奥には鈴木氏のアトリエもある。HSジュエリースタジオの商品を販売するだけでなく、MSIと協業した宇宙人モチーフのジュエリーや専用ファスナーも製作する。

一点物の提案も
直営店開設を機に、オリジナルブランドも立ち上げた。カルト宗教をコンセプトにした怪しい雰囲気が特徴で、春の立ち上がりは、ブランドロゴのグラフィックをプリントしたTシャツやロンT、スウェットパーカなどを出した。今後はアウターなどアイテムを広げつつ、一点物も提案する。主力ブランドのMSIの方は、店頭の鮮度アップと来店頻度を高めるため、毎月新作を販売していく。

同ブランドは札幌を拠点に21年スタート。24年春夏物から関東に拠点を移し、刺繍職人の泉谷氏が加わった。アンダーグラウンドなイメージをハードなデニム加工や刺繍をミックスしてジャンルレスに表現。25~26年秋冬物からリブランディングしてポップなモチーフを刺繍やグラフィックに使うようになった。
刺繍のモチーフには日本古来の鬼や妖怪、縁起物のだるまに始まり、最近では石澤氏が好きな都市伝説やオカルト要素のUFOや宇宙人などもある。オリジナルの宇宙人キャラクターを使った人形型バッグは若い女性から人気だ。
濃いファン作り徹底
同ブランドはこれまで、横ふり刺繍を全面に施したアウターが数十万円と高額になるため、卸販売が広がりにくかった。そのため作り手自らが直接的に生産背景やブランドストーリーを伝えられる期間限定店での販売を中心にしてきた。

今回、自分たちの拠点(直営店)ができたことから、濃厚で深いファン作りを徹底する。渋谷駅から少し歩いた円山町1丁目のホテル街の手前にある立地で、若者や外国人など夜の人通りも多いエリアにある。内装は手作り感が満載で、白壁に鉄パイプの什器などシンプルな構成だ。
今後、店内には若手クリエイターが発信できるイベントスペースも設ける計画だ。「共感できる仲間を増やし、渋谷の新たなカルチャーを発信していきたい」(石澤代表)と意気込む。
店舗の左側のスペースも借りており、オープニングイベントではキッチンカーを2台入れてフードやドリンクを提供した。今後も気軽に来店してもらえるようにキッチンカーでのフード販売などを予定する。
