福島市でセレクトショップ「ピックアンドバーンズ」を運営するピックアップの高橋省吾社長は「コロナ禍も収束し、街ににぎわいが戻った。5年ほど前に郊外から移転した中心街には、ファッションや飲食関連などの個店が集まり、新規客も増えた」という。同店にも新規客が3割ほど増えた。宮城県仙台市や福島県郡山市などから来る若い世代も目立つ。駅前の百貨店が退店したことで40~50代の流入もあった。「特に大人の男性客は仕事も普段も安心して着られる服を求めている」ため、当店のオーセンティックなインポートカジュアルが支持されている」と考える。
40年以上、様々な服を見てきた高橋社長の目利きにかなうのは流行に左右されず長く着用できるインポートブランド。知る人ぞ知るブランドを探し当て、客に薦めるのが醍醐(だいご)味でもある。「これからもスタイリングに悩む大人客の課題解決に力を注ぎたい」と高橋社長は、新たな立地でリピーター作りに意欲的だ。
以前から個店同士(商店会)の横の連携も強く、昨年開いた古着イベントには若い世代を含めて想定以上の集客があった。今秋には商店街の老舗眼鏡店の若い経営者が改装した古いビルに、花屋、カフェ、美容室、ギャラリー、ファッションのセレクトショップなどが集まったことで、周りの商店街全体がコミュニティーの新たな拠点になりつつある。