【パリ=小笠原拓郎】23~24年秋冬パリ・オートクチュールコレクションは、オンスケジュールの日程に32ブランドが名を連ねている。初日は例年どおりスキャパレリのショーでスタート、クチュール初参加のトム・ブラウンが注目を集めた。
(写真=トム・ブラウンは大原広和)
オートクチュールにデビューしたトム・ブラウンは、アイコンともいえるグレースーツをベースにしたコレクションを見せた。ショー会場に選んだのは、オペラ座の舞台裏。かつて、ドリス・ヴァン・ノッテンがショー会場に選んだこともあるスペースを、彼らしいグレーの空間にしつらえた。
ショーが始まると、緞帳(どんちょう)が上がり舞台と客席があらわになる。舞台にはたくさんの鳩のオブジェ、そして舞台にはサングラスにグレーのスーツを着た男性たちの書き割りが目いっぱい並んでいる。そこに登場するのは、スーツケースを抱えた男たち。旅を思わせる演出でショーは始まった。