山形県米沢市に拠点を置くパルコモードは今年で創業50周年を迎えたレディスボトム縫製工場。国内のデザイナーブランドをはじめ高品質な製品を縫製、地域に根差した活動をしている。
同社の特徴は、厚生労働省認定の企業内訓練施設「パルコモードファッションスクール」の存在だ。1991年に設立され、従業員向けに高度な縫製技術を教えている。新人向けの基礎コースから国家資格取得を目指すコースまで、幅広い教育が行われている。自社製品の品質維持のみならず、未経験者への手厚い待遇により、地域の雇用創出にも寄与している。
地場産業の「米沢織」のブランド価値向上を目指した地域連携にも注力する。9月に開かれた「360°よねざわオープンファクトリー」では、工場見学や、イベントに出店した行方織物と協力して米沢織のアパレル製品を販売した。昨年、パルコモード社長に就任した鈴木百合子氏は「米沢織を市内企業との連携で発信できればと思い参加した。今後は市や地域の組合も巻き込んだ取り組みができればと思う」と今後の展望について話した。
従業員123人の同社だが、現在の課題は人材確保。若年層に関心を持ってもらうための工夫として、展示会に出展し従業員に自社製品を訴求。自社製品の魅力を感じとってもらい意欲向上を図っている。外国人従業員の受け入れも約30年前から実施し、多様な人材活用も行っているほか、効率化と従業員の負担軽減を目指して工場内にハンガーシステムを導入するなど、働きやすい環境作りにも力を入れている。