「繊研新聞」は本日、紙齢20000号を迎えることができました。70年間にわたりご愛読、ご支援下さった読者の皆様、繊維、ファッションビジネス関係者の皆様、印刷、輸送、配達など繊研新聞を読者の手に届けるためにご尽力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。
48年7月、財団法人日本繊維経済研究所として設立された当社の前身が、月3回発行のタブロイド版「繊維ニュース解説」を発行したのが49年9月のことです。50年には「繊維相場速報」に紙名を改め、日刊紙の発行を始めました。52年には「繊研速報」と改題、53年にタブロイド版から大判となりました。そして、今の繊研新聞となったのが59年4月、紙齢2776号からです。
問屋向けの相場速報情報紙からスタートし、繊研新聞となってからは、合繊産業、量販店、アパレル、小売りなどの業界の発展と共に歩んできました。この間、量販店が台頭し始めた60年代初頭には「流通革命キャンペーン」を紙面で展開。70年代に入って「ファッションビジネスへの挑戦」の長期連載を掲載、当時まだ聞きなれなかった「ファッションビジネス」という言葉の定着に貢献したと自負しています。
さらに、85年のプラザ合意後の円高以降、大波として打ち寄せてきた国際化、グローバル化の時代を捉え、88年には「ファッションビジネス成長の条件-際(きわ)がなくなる」の連載を約半年間掲載。欧米各国のファッションビジネスの最先端の取材を通じ、ボーダーレス化の到来や製造から小売りまでを一貫化するSPA(製造小売)業態の台頭など、新たな時代の幕開けを告げる報道に取り組みました。
ファッションビジネス業界は、今また大きな変革の時期を迎えています。消費者の購買意識は大きく変化、多様化し、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)は、生産からマーケティング、物流、販売のあり方の変革をもたらしています。人口減、労働力不足、訪日外国人の急増、SDGs(国連の持続可能な開発目標)やエシカル(倫理的)、CSR(企業の社会的責任)、サステイナビリティー(持続可能性)などは産業の発展、企業経営にとって重要なファクターになっています。
繊研新聞社では、こうした変化とこれへの対応を「ファッションビジネス革命前夜」というテーマで、70周年である18年の紙面キャンペーンを行っています。解を求めることは簡単ではありませんが、繊維、ファッションビジネス業界の皆様と共に業界の発展の道を探求していく所存です。
正確で迅速な情報、業界の今を映し、先が見える情報、お役に立つ情報の報道にいっそう力を注ぎます。
繊研新聞本紙、そして昨年スタートしました繊研新聞電子版に、今後も変わらぬご愛顧をよろしくお願い致します。
2018年8月8日 繊研新聞社