パルがプラスワンカテゴリー創造の一環となる新規事業開発を活発化している。その一つとして、20代レディスブランド「カスタネ」では、髪から全身に使える消臭ミスト「ワンム」を販売する。現在はマクアケでクラウドファンディング中で、すでに目標金額を超え、春から事業化する見込みだ。
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ワンムは「服についた臭いを解消したい」という顧客の要望を聞いたカスタネの大宮店店長の意見をもとに企画した。外出中の飲食で様々な臭いが付くことがあるが、「服を着たまま髪から靴まで全身にスプレーできる」ように天然成分由来にこだわって開発に着手した。
成分には、消臭・抗菌効果が高いといわれる柿タンニンを採用し、京都・南山城村で柿渋を製造・商品開発しているトミヤマと共同で開発した。茶色がかった色を透明にするとともに、液体が変色しないための防腐剤も天然成分を選ぶなどで試行錯誤し、商品化まで約2年半かかった。
主成分は、柿タンニンのほか、水、エタノール、ペンチレングリコール、グリセリンなどで、ほぼ100%天然由来成分。香りはユーカリとチュベローズと、ゼラニウムとベルガモットの2種。化粧品の分類となり、肌にも髪にも使える。「服・肌・髪にも使えるフレッシュミスト」として特許出願中だ。
カスタネの新家陵子ディレクターは「アパレルの枠を超えた新商品・新事業につながりそう。また女性の課題解決として、かばんの化粧水や消臭スプレーの一本化になる」と話す。國宗篤史クリエイティブデザイン室室長も「店舗展開以外に、新しい売り方、海外展開も視野に入れていく」という。
10月26日にマクアケでクラウドファンディングを開始。200ミリリットルボトルと携帯用30ミリリットルのセットで4000円。このほか香り2種セットや、南山城村の地場商品とのセットも販売しており、100万円の目標金額はすでに達成、200万円を超えた。
新規事業開発では、レディスルームウェアブランド「テリトワール」の19年春の本格化が決まっている。
