日本ユニフォームセンターがオフィス向け活性化で座談会 多様化へ対応しSNSで制服文化伝える

2024/01/30 07:58 更新


ユニフォームメーカー4社で座談会を開いた(左から外川雄一ボンマックス社長、堀松渉チクマ社長、籔谷典弘NUC理事長、村上哲オンワードコーポレートデザイン社長、西村隆ツカモトコーポレーション常務)

 日本ユニフォームセンター(NUC)は、オフィスユニフォーム市場の活性化に向けて、同分野のメーカーや商社など4社の社長らを招いて座談会を開いた。

 女性だけ着用規定のあることが多いオフィス向けの制服は、ジェンダー平等や多様性の流れ、経費削減を理由に廃止される事例が目立つ。一方で着用者からは、出費や場面に合った服装選びの負担軽減などを理由に、存続を望む声も多く出ている。NUCは市場活性化の取り組みの第1弾として、今回の座談会を開催。各社から出た意見をまとめ、ホームページなどで発信を強める方針だ。

 参加したのは、村上哲オンワードコーポレートデザイン社長、堀松渉チクマ社長、西村隆ツカモトコーポレーション常務、外川雄一ボンマックス社長。司会はNUCの籔谷典弘理事長が務めた。

 初めに、女性用事務服市場の低迷が続く現状について認識を共有。銀行の支店の統廃合、一般企業のデジタル化などで一般職の就業人口が減少し市場は縮小。従来の男性職場で働く女性や製造業の事務職の女性がワーキング系の制服を着たり、病院の事務職でスクラブを着用したり、オフィス向け制服のカジュアル化が進み、多様化への対応が必要なことを確認した。

 次にオフィスユニフォームの長所と短所を、着る人、着せる人、見る人の視点で再確認。長所では、機能性や統一感、企業イメージの向上、他者からの識別性や安心感が、短所では支給がない男性からの不公平感、昔風のイメージなどが挙がった。

 「ジェンダーレスの流れは止まらないので制服廃止でなく、大事な場面で着る式服として男性にも支給したら」「ブラウスにベスト、スカートという従来型に加え、多様化に対応して多品種から選べたり、ユニバーサルなデザインの提案も必要」などの意見が出た。業界全体でCO2(二酸化炭素)削減やリサイクルを進め、制服の利用が社会貢献につながる点を訴求することの重要性についても話した。

 参加各社からNUCへの要望では「国や自治体も巻き込んだ共同事業として、新しいオフィス向け制服の研究開発を進めてほしい」「社会の流れや需要の変化に対応した方向性を探り、呼び方から再考してほしい」「SNSを通じて有用性を訴求し、制服文化を発信して」などがあった。

 NUCは独自に発行する情報誌で座談会の内容を紹介し、ホームページでも制服文化やオフィスユニフォームの方向性について発信を強めていく計画だ。




この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事