英國屋は22年8月にアルムナイ(退職者)が5年以内であれば復職しやすい「カムバックパス制度」を導入し、働きがいを感じる企業づくりを進めている。
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制度は退職日から5年間を、家庭やキャリアの事情で離れた社員が銀座英國屋への復帰を可能とし、復職時にスムーズな再スタートができるよう支援するもの。「辞めた社員を敵と見なす」のではなく「信頼できる仲間として再び迎え入れる」という企業姿勢を示した。給与も復職時は退職時と同額以上としている。導入3年で復帰は1人だが、制度導入以前を含めると5人が復帰している。
同社が大切にしてきた〝信頼〟の価値観にもとづく制度で、社員がチームとして支え合い、人として尊重されているという実感を高めることでエンゲージメントを高めることが狙いだ。「またこの会社で働きたい」「戻ることが誇りになる」環境を目指している。
今後は同制度の運用を通じて、社内コミュニティーを活性化し、キャリア支援態勢を強化していくほか、離職後も希望者には会社の状況を知らせるなど、銀座英國屋の一員としてつながりを感じられる仕組みづくりを整えていく。