新型コロナウイルスの影響がファッション業界にも広がり、小売店頭から物作りの現場まで厳しい状況が続く。この事業環境をどう乗り越えるのか、業界団体のトップに聞いた。縫製業の実態は、北いわてアパレル産業振興会の森奥信孝(岩手モリヤ社長)代表理事に、業界への思いとともに語ってもらった。
■秋冬は予測つかず
縫製業は現在、過去に経験のない危機的状況にあり、4月末からの受注の見通しがついていない。秋冬物の生産は全く予測できない不安な状態だ。このままでは縫製工場は休業が続き、廃業を選択する工場が増える可能性もある。過去20年で4分の1に減った国内縫製工場がさらに減ることは、メイド・イン・ジャパンが減ることであり、国内で物作りができなくなる恐れがある。