【パリ=松井孝予通信員】新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ブリュノ・ル・メール経済・財務大臣は13日、20年仏経済に及ぼす影響はマイナス0.1ポイント、今後の状況によってはさらに減速するとの見解を示した。
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仏ラグジュアリー業界への影響は最も深刻だ。「黄色いベスト運動」や昨年12月から続いた長期ストのインパクトは仏国内に限定されていたが、新型コロナウイルスは最大市場の中国を襲う。ケリングはアジア市場が総売上高の38%、中国人客は全体の30%を占める。中国の店舗の半数、マカオは全店を休業中。フランソワアンリ・ピノー会長兼CEO(最高経営責任者)は12日の決算発表で、「来客数が激減している」と現地の状況に言及した。「中国人旅行客減で欧州市場にも影響が広がるだろう」とし、厳しいながらも中国市場を再活性化するローカルマーケティングに注力する方針。製品はフランスやイタリアから中国への輸出を止め、他国に再配分している。
見本市では、ベビー&キッズとマタニティーの「プレイタイム」が上海2月展を中止、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン傘下「ブルガリ」は、春開催のバーゼルワールドの出展を見合わせた。
パリ・コレクションでは、中国6ブランドがランウェイショーとプレゼンテーションをキャンセル。会期中の合同展でも、出展者・来場者減が予想される。