パルは20年春夏物の店頭商品について「3月ぐらいまではどうにかなるが、4、5月についてはどうなるか心配」な状況だ。同社は大型ブランドが少ないが、中国の協力工場へ依頼している夏物生産の進捗状況の確認を急いでいる。
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当初は10日から稼働する予定だったところもまだ2~3割しか動いておらず、17日以降の確認で改めて商品調達の見通しを探り、対策も練る。社員は当面、中国への出張は禁止にしている。
同社はアパレル、雑貨ともに中国生産の比率が高い。予定より早く生産できた商品から前倒しで販売するなどの対応をする。今後はリスクヘッジとしてASEAN(東南アジア諸国連合)など、生産地の分散も考える。
東京ソワールは、20年春夏物の中国生産のウェアとアクセサリーで納期の遅れが発生しているが、過半はすでに日本やベトナム生産へと振り替えた。以前は半数を占めていた中国生産も現状では25%にまで低下しているため、「影響はそれほど大きくない」。ただ、秋物の生産までに収束しない場合はASEAN(東南アジア諸国連合)へのさらなるシフトも見通す。
17日再開目指す
日華化学(福井市)の子会社で、繊維加工薬剤を製造する杭州の日華化学中国は17日の工場再開を目指しているが、「予定通り再開できたとしても、サプライチェーンが寸断されており、フル生産に戻るまでにはかなり時間がかかる」(江守康昌社長)見通し。
もともと10日再開を予定したが、移動の制限で従業員が出社できず、再度延期。17日を目標に再開を目指すが、「予断を許さない状況」。200人強の従業員のうち、近くで出社待機中の人員は3分の1程度。移動制限やアパートの閉鎖などで、杭州に戻れない従業員が60人以上いるという。
省をまたいだ人の移動が制限され、原材料入荷、製品出荷などサプライチェーンへの影響も懸念される。工場再開後もフル稼働には時間がかかる見通しで、「2月中にはめどがついてほしい」という。生産品目は精練剤、染色助剤、撥水剤、柔軟剤など多岐にわたる。