【上海支局】中国紡織工業企業管理協会は6~14日に会員企業の中小企業に対して新型コロナウイルスの影響についてアンケート調査を行い、63.3%の企業から従業員の復帰が15日以上遅れていると回答があった。109社から回答があった。
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企業規模は従業員20~50人が30.8%と最も多く、それに300~1000人の22.9%が続いた。再稼働遅延に伴うコスト負担は人件費、不動産設備などの固定費、各種税金、原材料費用などの順になっている。そのため65.1%の企業が大きな損失、22%の企業が深刻な損失をもたらすと考えている。
担当者が心配している問題は従業員の健康、注文のキャンセル、違約金の延期、再稼働の方法など。復旧後2カ月以内に春節前の水準に回復できるとする企業が22.9%で、60%近くの企業は「一定の困難がある」、17.4%の企業は「回復は難しい」と回答している。
対応策として各社は、ローン、補助金の申請に加え、製品サービスの革新、ECの活用、新業務開拓、賃下げや人員削減、海外投資などを実施しようとしている。23.8%の企業が、措置を講じておらず、2.7%の企業が廃業を考えている。
アンケート結果を踏まえ報告書は、中小企業に対して家賃減免、防疫物資の速やかな提供、資金の援助、技術的優位にある企業とのマッチングなどを政府に行うよう求めている。産業サプライチェーンを早く回復しなければ、中国紡績業界の加工優勢は引き続き弱まり、一度移転形成されると「新中国設立から70年間の紡績業界の強固な基礎が失われる」と警鐘を鳴らしている。