ネクタイやシャツの専業メーカーでは、ここ数年、本業以外の新たな切り口で事業に挑戦する企業が増えている。残反をアップサイクルした商品を開発したり、ポップカルチャーにフォーカスしたTシャツを販売したり、直営路面店やリメイク工房を開設したりと様々な角度からアプローチしている。主力販路とは別のタッチポイントによって新たなファンの開拓が進み、本業への相乗効果も出て来ている。
アラ商事
再生、ネクタイリメイク強化
ネックウェアのアラ商事は、自社工場の生産背景を生かし、残反やサンプル生地をアップサイクルした雑貨の販売を強化している。販路は主に百貨店での期間限定店で、一点物の特別感が受けて売れている。アクセサリーなどに商品の幅を広げ、若年層や女性にも拡販する。客が使わなくなったネクタイをリメイクするサービスも提供している。
アップサイクル事業はサステイナブルな取り組みの一環で、数年前に始め、22年頃から本格化した。商品はバッグ、ポーチなど。自社工場で材料の調達から製品化まで完結するのが強みだ。
売れ筋はネクタイ生地のマス見本から作った蝶ネクタイ。「自分だけの一つを選ぶのが楽しい」と好評で、売り切れることも多い。