ダイヤモンドのトレーサビリティー(履歴管理)を提示し、より信頼性を高める動きが日本でも広がり始めた。一昨年から市場で流通が始まった合成ダイヤモンドと差別化し、天然ダイヤモンドの魅力を高める狙いがある。
既に海外では「ティファニー」が昨年、個々の原産地情報を消費者に提供し話題を集めた。日本では東京貴宝がオリジナル「さくらダイヤモンド」で、ダイヤモンド原石が消費者の手元に届くまでの各過程を証明し、デジタル上で実像映像も見られる証明書の発行を始めた。フェスタリアホールディングスも、オリジナル「ウィッシュ・アポン・ア・スター」のダイヤモンドに関するトレーサビリティーとグレードを記載したレポートを今春、発行する。
23日まで開かれた国際宝飾展では、トレーサビリティーシステムを開発、受注する企業も複数出展した。
イスラエルのダイヤモンドテック企業大手のサリネテクノロジーは昨年9月、トレーサビリティーを消費者がデジタル経由で確認できるサービスを開始した。ブランドごとにカスタマイズした証明書の発行も可能で、同社のアジア太平洋担当者は、「日本で既に5社ほどと契約、とても興味を持っていただいている。新しいトレンドになるだろう」としている。