「ナツミ・オクムラ」は、OEM(相手先ブランドによる生産)企業や大手アパレルでデザイナーを務めた奥村夏美さんのブランド。コロナ禍前に渡仏し、パリで1年間仕事をして帰国、自身のブランドの立ち上げ準備を経て、22年12月に正式デビューさせた。パリでは海外進出していた日本ブランドのショーの手伝いなどもした。
正式デビュー前からインスタグラムに作品を投稿していた。それを目にしたスタイリストからリースの依頼が入るようになり、今では常時20人ほどから声が掛かる。テレビや雑誌、写真集など露出は多く、衣装製作の依頼も。他とかぶらないデザインや世界観が評価されており、「個が確立しているアーティストとは相性がいい」という。
「メゾン・マルジェラ」のデザインチームの一員である鈴木一郎氏の個人ブランドを手伝った経験もあり、鈴木氏の影響から「ファッションの可能性をどこまで広げられるか」がテーマだ。衣装製作の依頼があっても、イメージ通りでなく想像以上のものを返すのがデザイナーの本分と考えている。
異素材ミックスや配色の切り替えに、メタル調を加えるのが得意とするところ。「凜(りん)とした、芯のある女性」がターゲットイメージだ。ワンピース5万円台後半、トップス約4万円。ユニセックスのTシャツは1万円を切る。
「海外販路も確立したい」として、24年10月には新人の登竜門である「バンクーバーファッションウィーク」で作品を披露する。東京・蔵前のセレクト店・木宮商店で扱いがある。自社ECも準備中だ。