国内唯一の絹紡糸メーカー、中川絹糸(滋賀県長浜市)に注目が集まっている。とりわけ同社の〝洗えるシルク〟「プライムシルク」の引き合いが増え、フル生産が続く。昨春に立ち上げた新工場の設備もようやく揃いつつあり、本格稼働は目前。需要の増大とともに、様々な開発依頼への対応も強化していく。
(小堀真嗣)
新工場と既存工場を合わせ、生産能力は従来の1.8倍になる。プライムシルクは佐藤繊維(山形県寒河江市)の製品に採用されたことを機に引き合いが増えた。新工場の稼働による増産で膨らむ需要に応える構えだ。
昨年は既存工場から新工場へ設備を移すとともに、既存工場は「新たな開発に向けたリニューアル」(中川嘉隆社長)のため、約3カ月生産を止めた。これによって溜まった受注残をフル生産でこなしてきた。「フル生産を続けても在庫がない状況が続いている」と中川嘉隆社長。「春までの生産予定分も大半が予約で埋まった」という。また、新工場用に発注していた設備は、世界的な設備機械の納期遅延によって導入が数カ月遅れたが、徐々に計画通りの生産体制が整い、ようやく本格生産へ移行できる見通し。
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