DtoCブランド「ナイロ」が年商10億円に 予約販売を軸に顧客との関係強める

2023/05/02 12:30 更新


「小柄だけどおしゃれに着られる服」の提供がブランドのアイデンティティー

 GFグループのジーエフ・ドット・エックス(gf.X)が販売するDtoC(メーカー直販)ブランド「ナイロ」が好調だ。低身長の女性を対象に、予約受注販売の事業モデルを構築し、23年3月期売り上げは約10億円に達する。ECを1年前にショッピファイへ移行し、公式スマートフォンアプリもリリースした。

 21年5月に受注販売中心に移行し、DtoCブランドに多い市場の売れ筋を早く、安く売るモデルとは一線を画す。身長151センチメートルというブランドディレクターの「小柄だけどかっこ良くおしゃれに着られる服を提供したい」がブランドのアイデンティティーになっている。

 月初と月末の6日間、予約会を開催し、5~7品番を発売する。販売時期から逆算して商品を企画、受注した商品は6~7週間後に顧客へ届ける。販売計画よりも予約が多い場合は、納期延長の了解を得て、受注を受ける。セールもクーポン発行もしないため、価格への信用も高い。商品単価は1万円前後で、客単価は1万5000~1万6000円で推移する。予約会以外は、定番品など即納できる商品を販売する。アパレルの生産、物流はGFグループで行い、靴は提携で他社と連携する。

 顧客数が順調に伸びている。予約販売がメインなので、顧客との関係性は重要だ。22年3月にはECサイトをショッピファイをベースにしたECパッケージ「ツナ・ザEC缶」(RESORT提供)で構築し、先月には公式アプリもリリースした。買い物環境を改善し、顧客満足度を高め、この1年で顧客数は7万7000人を超えた。昨年12月、伊勢丹新宿本店で行った期間限定店は5日間で約1500人が来場し、1000人以上が購入した。

 今後は顧客との接点を増やすため、大阪、名古屋、福岡などの主要都市でも期間限定店を開催する計画だ。

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