労務費の価格転嫁進まず UAゼンセン製造産業部門が調査

2026/01/05 06:28 更新NEW!


 UAゼンセンは26年春闘で1%程度の実質賃金上昇を目指しており、特に中小職場での押し上げに力を入れている。中小では大手に比べ賃上げ率が低い状態が続いており、前進に向けた交渉に臨む一方で、実現につながる環境整備を重視している。受注型が多い中小にとってコストの価格転嫁が望まれているが、25年7~9月に実施した調査からは、労務費の価格転嫁が原材料費などに比べると進んでいない実態が見える。

 繊維関連の製造現場を多く組織するUAゼンセン製造産業部門は、「価格転嫁の状況等に関する調査」を継続的に実施している。25年7~9月の第6回調査は、前年同時期の第4回から18%ほど回答数を増やして関心の高さを示した。第6回調査によると、労務費の価格転嫁は18%が「すべて受け入れられた」としており、33%が「8割程度受け入れられた」で、8割程度以上が過半となった。第4回調査ではそれぞれ19%、23%で、8割程度以上としては9ポイント上昇している。

 しかし、原材料費の転嫁は8割程度以上が16ポイント上昇の64%で、エネルギーコストの転嫁も10ポイント上昇の57%。労務費の転嫁がほかの要素と比べると引き続き低水準であることがうかがえる。

 労務費の転嫁が進まない要因としては、2割近くが依然として「転注を示唆された」という状況があり、労務費の上昇分は企業努力で吸収すべきというところから「脱却できていない」と指摘されている。

 製造産業部門の25年度の賃上げ率は、300人以上の職場では物価上昇を上回ったが、100~300人未満2.66%、100人未満2.51%と3%にも届かず、大手、中小の差が開いている。製造産業部門では労務費の価格転嫁を含めた「適正な取引価格により中小企業が利益と賃上げ原資を確保、賃金が上がって内需拡大に寄与、好循環につながる」としている。一方的な代金決定の禁止が盛り込まれた中小受託取引適正化法(取適法)の施行も踏まえ、発信などを強めることにしている。



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