《私のビジネス日記帳》持続的な成長こそ キャロットカンパニー社長 吉田剛

2024/09/18 06:26 更新


 25年前から海外取引を始め、今や35カ国・地域362店と拡大した。初めは言葉の違いや貿易が邪魔くさく思え、スポット的な取引で良いとも考えていた。だが、いざ始めてみると商売は奥深く、伸ばさなければもったいないと感じた。文化・商習慣は違えど、良い製品にニーズがあるのは万国共通。世界中の人が自社製品に触れ、使って欲しいと思うようになった。

【関連記事】《私のビジネス日記帳》100年愛される準備 キャロットカンパニー社長 吉田剛

 街中ですれ違う人の持つかばんが私たちの製品へと変わってほしい。そしてそれを世界中に浸透させたい。そのために必要な準備は何か。またそれを楽しみながらするにはどうすれば良いのか考えた。それにはまず、社員の意識を海外に向けさせること。日本市場に限った思考を避けるためには意識改革が重要だと思った。

 現在は「海外事業部」があり、国内営業と分けているが、10年後には「海外事業部」を無くしたい。「海外」が当たり前となり、全社員が日本も海外も同じマーケットとして捉えるようになってほしいと願う。

 もう一つの準備は全世界に製品を届ける生産能力の確立だ。第一歩として世界レベルの生産量と品質を得るために来春、新たな海外工場を開く。雪だるま式の成長を求めず、展開国との関係とその継続を大事にして、着実に信頼関係を築いていく。慎重かつ計画的な戦略でマーケットにしっかりと根を張り、年輪を増やすように持続的な成長を目指す。これこそがキャロットカンパニーの文化である。

(キャロットカンパニー社長 吉田剛)


「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

関連キーワード私のビジネス日記帳



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事