今年で創業36年、主力ブランドも20周年を迎えようとしている。20年もブランドを継続できたことに喜ぶ半面、まだまだ「ひよっ子」とも感じている。100年、200年続く企業やブランドと比べれば、私たちはまだまだ始まったばかり。100年愛されるブランドとなるには何が必要なのか。
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日頃から「丁寧に仕事をしているか」を自問している。丁寧には、多角的な想像と地道な準備がいる。私たちのブランドが100年続くためには、今までとは違った丁寧さが問われる。私たちは「世界中のすべてのかばんに携わること」を次の目標としている。「安くて良いもの」は当たり前となり、それを作れば売れる時代は過ぎ去った。人々の価値観は多様化し、今まで以上にエンドユーザーに目を配った丁寧な物作りは絶対条件となっている。
SPA(製造小売業)やDtoC(消費者直販)が広がるなか、私たちはかばん作りに何らかの形で携わり、必要不可欠な存在にならなければならない。それは国内市場に限らず、世界市場においても同じだ。
デザインや企画は自社で行ってきたが、生産は協力工場に任せてきた。物作りを追求するために協力企業とともに来春、ミャンマーに工場を開設する。エンドユーザーに愛されるデザインを実現する生産体制を整え、100年愛されるための準備を進めている。
(キャロットカンパニー社長 吉田剛)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。