《めてみみ》現場の価値

2026/02/25 06:24 更新NEW!


 注目されている急成長企業の一つにパワーエックスという会社がある。蓄電システムを製造・販売するメーカーだ。再生可能エネルギーの国産化が話題となるなか、太陽光発電や風力発電は自然の影響を受けやすい。昼と夜の需要と供給のギャップもある。これをコンパクトな蓄電池で解決しようとしている。

 昨年末にはIPO(新規株式上場)を果たした。25年12月期売上高は前期比3倍強の193億円。今期の受注残高も400億円近い。株価も急上昇し、公開時の1220円がわずか2カ月余りで3倍近くになっている。

 伊藤正裕社長は17歳で起業。その後はスタートトゥデイに会社を売却、同社の取締役COO(最高執行責任者)として「ゾゾスーツ」の開発なども任された。21年にパワーエックスを創業し、わずか5年で新たなステージに立つ。注目したのはIPO後初の決算発表の場。ウェブに登場した伊藤氏は工場をバックに、ネクタイの上に作業服を着た姿で成長への夢を熱く語った。

 華やかな経歴や事業の成功ばかり目立つが、それは現場があってこそ。自社の一番の強みが物作りの現場であることを認識している姿勢に、投資家も期待を寄せるのかもしれない。ファッション業界でも物作りの危機が叫ばれる。「良いものを作る」ために、製造現場が持つ価値を忘れてはならない。



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