5月のマンスリーセンケンにファーストリテイリングの柳井正会長兼社長のコメントが載った。「良い経営とは何か」を問われる中で、「変化に対して、正面突破で素直に対応する経営」が大切との考えを述べたものだ。
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かつて同社の中国事業担当者が発した、全く同じ言葉を思い出した。今から四半世紀前、中国での店舗運営をまさにスタートしようとする時期だ。ある出来事を巡って、金銭を求められる事案が起こった。わずかな金額である。それでも担当者は「金額の大小は関係ありません。領収書を出してもらえない処理は一切しない。うちは正面突破しか許されませんから…」と苦笑した。
その頃は、多くの日系企業も中国内販を加速しようとする時期だった。事業を円滑に進めるため、責任者がポケットマネーで済ますケースも少なからず見受けられた。「お金は人間関係の潤滑油。これをうまく使うことが海外での事業成功のカギ」と言う人もいた。
長い年月が過ぎ、中国事業は同社の大きな収益の柱に育った。今日に至るまで多くの難題があったことだろう。ただ、小手先の処理ではなく、正面突破していこうとする精神が成長の大きなポイントだったと推察する。これからも多くの中小企業が市場開拓を進めていくはずだ。正々堂々と正面から事業を進めていくことが結局は近道になるのだろう。
