「ええもんつくんなはれや」。創業者・水野利八の言い伝えです。ミズノは26年4月1日に創業120周年を迎えましたが、これだけ長く会社が続いたのはこの言葉の通り、「ええもん」を愚直に作ってきたことが大きいと思っています。投資の大部分を商品の開発・製造に振り向け、お客様の求めるものを届け続けてきました。
例えば最近の「ええもん」で言えば、飛距離が出るゴルフクラブとしてヒットしている「JPXワン」が挙げられます。クラブヘッドのフェイスに柔らかい樹脂系の素材を使い、ボールの変形を抑えて初速が出る原理を活用しています。これは軟式野球の「よく飛ぶバット」で知られる「ビヨンドマックス」の技術を転用したもの。飛ばしたいゴルファーの気持ちに応えた革新的な製品として、予想以上に市場から高い評価を得ています。
実はJPXワンは予定より1年ほど販売開始が遅れました。理由はお客様の期待に応えられる飛距離性能を提供できなかったためです。「これでは自信を持ってお客様に届けられない」。こう話し合い、満足のいく商品になるよう改良を重ねて、完成度を高めていったのです。
革新的な商品を生み出すにはアイデアだけでは足りません。実験と検証、試作を繰り返す地道な作業も必要です。こういう意味ではミズノには忍耐強く、こだわりを持った社員が多いかもしれませんね。
(ミズノ社長 水野明人)
◇
「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。
