中学生の娘が進路学習の一環で「人はなぜ働くのか」をテーマに議論した。まとめを見せてもらったところ、「お金を得るため」がクラスの8割を占めていた。「世の中のため」「夢をかなえるため」といった意見は少数。あまりに現実的な考えが多く驚いたが、記者自身も中学生の頃は、働くのは生活のためと考えていたので理解できる。
数字だけを追い求めていては、やる気が長続きしませんね――15年以上前、成長著しい地方専門店チェーンを取材した際、その社長がこう話したのを覚えている。売上高や利益の達成だけを目標にしていては無理がくる。仕事自体に社会的意義や面白さが感じられないとモチベーションは続かない、との趣旨だ。
今思えば「パーパス」や「経営理念」の大切さを説いた話だと理解できる。くだんの社長は日常的に社内でそうした問いかけをしているのだろう。社員自らが働く意味を考え、業務を自分事にして取り組んでいるように思えた。その会社は上場を果たし、今も成長が続く。
娘の学校では11月に職場体験をするそうだ。もちろんすぐに仕事観を養えるとは思わないが、「この業務は誰の役に立っているのか」「商品・サービスをより良くするにはどうすればいいか」といったことを考えて取り組むだけでも面白さは違うはず。働くことへの理解が深まるのを願いたい。
