「実は今回から、AI(人工知能)で着用モデル画像を生成したものをルックブックに使っています」。あるレディスアパレルメーカーの26年秋冬展示会で聞いた。言われてみるとモデルに人工的な要素を感じたが、着用している服の質感やシルエットは実物とさほど違いを感じなかった。
導入した理由を聞いてみると、モデルやフォトグラファーを使わず、社内で完結できるため経費の削減になるから試してみたとの説明だった。社内スタッフの着用画像をAIに読み込ませて、架空のモデルで生成していた。着丈やデザインが、実物と変わらないのかと少し疑問が残ったものの、ブランドや服のイメージを伝える場面ではさらに広がっていくのではと可能性を感じた。
一方で、どれだけ技術が発展しても、服は生身の人間が着ることに変わりない。消費者からは、ECやSNSでスタッフが投稿するリアルな着用写真の需要も高まっていくのではないだろうか。実物商売の繊維・アパレル業界における生成AI画像の活用は、今後どのような方向に進んでいくのかが気になっている。
(祥)
