《私のビジネス日記帳》工場での学び 菅井隆行

2024/04/03 06:28 更新


 岡山市出身で中学、高校は野球漬け。ファッションに興味を持ったのは地元の大学に入ってからです。古着やインポート、ドメブラなど広く楽しんでいましたが、近所だけでは物足りなく、神戸や大阪まで足を伸ばしていました。卒業後は地元の明石被服興業に入社。もっとも配属先は学生服ではなく、ファッション事業の部署です。

 専門学校からの同年代に比べて知識がなく悔しい思いをしました。だから、独学で「繊維製品品質管理士」の資格を取りました。座学の知識もさることながら、それ以上に良かったのは物作りを間近で学べた点です。

 担当業務は生産管理事務や卸の営業、企画も少しという感じでした。近くに工場があったので、縫製職人と話すこともありました。間近で彼らと接すると、モノの見方や製品のコスト構造、工場側の事情などが手に取るようにわかりました。振り返ると、ここでの経験、川上の物作りが後の自分のキャリアにとっては大きかった。

 その後、東京支社に転勤。セレクトショップの運営などに携わりましたがうまくいきませんでした。そんなこともあり、少し前から思いが強くなっていたファッションの会社への転職を決めました。取引先だったセレクトショップ「1LDK」を運営するアイディーランドカンパニーです。

 最初の会社で東京に出たのが28歳、東京の会社に入ったのが30歳。遅咲きでしたが、ようやくファッションの中心である東京で腰を据えてやっていくことになりました。

(プレイ・プロダクト・スタジオ社長)

「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

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