あるバラエティー番組で若手芸人が中堅の人気芸人に「お笑い好き以外のファンを増やせ」と主張。それに中堅芸人が「ガツンときた」(衝撃を受けた)という。「芸人が売れたいと思ってやっていることは、既にお笑い好きの人たちを沼にはめ込む作業」と若手芸人。「今一番やらないといけないことはお笑いファンの総数を増やすこと。そのきっかけを皆が作ることが大事」と主張した。
一連のやり取りは、ファッションに置き換えても当てはまるのではないか。ファッション好きの人たちは一定数いるし、一人ひとりの好きの熱量は高いのかもしれない。しかし、熱量の高い、濃いファッションは、同じくらいの熱量・濃度の人にしか、その価値が伝わりにくいのではないか。
少子高齢化に伴う人口減や、趣味趣向の多様化もあって、ファッションに対する熱狂の総量は減っただろう。今いるファッション好きを対象にしているだけでは市場が先細りする未来が待っている。新しいファンを増やし、熱量の高い、濃いファンに育てる工夫を積み重ねる。それが日本のファッション産業の可能性をもっと膨らませることにつながると思う。
(嗣)
